7月28日、熊本県で最大震度7を観測する地震が発生しました。2016年4月にも最大震度7を2度観測する地震が発生し、多くの人命が失われ、住宅、インフラ、地域経済に大きな被害をもたらしました。あれから10年。復旧・復興が進む一方、今回の地震は改めて「災害への備えは十分か」という問いを私たちに突きつけています。
振り返れば、この20年間、日本は大規模な地震災害を繰り返しています。2004年の新潟県中越地震では、道路や通信網の寸断により集落が孤立し、多くの中小企業が事業継続の危機に直面しました。一方で、地域企業が復旧の担い手となり、雇用を守りながら地域再生を支えました。
2007年の新潟県中越沖地震では、企業設備の損壊に加え、サプライチェーンへの影響が広がり、一企業の被害が地域経済全体に波及することが明らかになりました。これを契機に、企業におけるBCP(事業継続計画)の重要性が広く認識されるようになります。
2011年の東日本大震災では、地震・津波・原発事故が複合的に発生し、多くの命と地域社会が失われました。中小企業も大きな困難に直面しましたが、「地域があってこその企業」という認識のもと、復興を支える役割を果たしました。
そして2024年の能登半島地震では、道路寸断や集落の孤立、長期的な断水など、地域の復旧の難しさが浮き彫りになりました。被災した中小企業は、地域の暮らしを支えるため、事業再開に向けて歩みを進めています。
これらの経験が示すのは、災害に強い企業づくりは、設備やマニュアルの整備だけで実現するものではないということです。非常時に企業を支えるのは、日頃から築いてきた社員との信頼関係、経営理念を共通の判断軸として組織全体で対応できる力、そして地域とのつながりです。
同友会が大切にしてきた「人を生かす経営」は、BCPの土台でもあります。経営指針づくりや社員教育、日常的な対話を通じて社員1人1人が主体性を発揮し、互いに支え合える組織を育てることが、災害時に社員の命と暮らしを守り、事業を継続する力になります。
さらに、地域と信頼関係を築き、平時から「地域になくてはならない企業」として役割を果たすことは、地域全体の防災力と持続性を高めます。
1社1社が「人を生かす経営」を実践し、困難に対応できる組織をつくる。その積み重ねが、災害に強い地域社会をつくる力になります。
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「中小企業家しんぶん」 2026年 8月 15日号より










