地元密着ビジネス

国や自治体、金融機関の支援による地域密着型の新ビジネスが広がっています。総務省は「ローカル10000プロジェクト」という地域振興につながる企業の初期投資を支援する制度を設けています。この制度で採択されたプロジェクトは、15年間で690件、2025年度は過去最多の108件でした。

県と市町村での事業数を合計すると、兵庫県が1位で69件、北海道39件、奈良県31件、徳島県は県での事業数が最多の16件です(表)。地域密着型のビジネス創出を後押しすることで、特産品の活用や困りごとの解決による地方の活力維持が期待されています。

この制度の大きな特徴の1つに、国と自治体が金融機関の融資と協調する点が挙げられます。兵庫県では、「『竹』から展開する新ビジネス推進事業」があります。粉砕機を導入し、放置竹林の竹を有機土壌改良材に変えて販売するとともに、ハウス施設を整備し、土壌改良材を活用した高品質野菜を生産、加工して販売する事業です(平成25年度、公費交付額1000万円、国費1000万円)。

また香住高校と連携した水産加工商品の開発により、知名度の高いカニのみならず、ホタルイカなどのブランド価値を高め、通年での観光客獲得をめざす事業もあります(令和元年度、公費交付額436万円、国費218万円、地方費218万円)。

徳島県では、「阿波尾鶏」を飼育する鶏舎を整備する事業があり、平成24年度に国費5000万円、公費交付額5000万円が交付されています。

町村で最多の13件の事業が採択されている小豆島町では、空き家(古民家)をリノベーションし、加工食品製造所および事務所を整備、瀬戸内産の海産物(いわし、えびなど)を使用した新たな加工品などの製造・販売を展開する事業があります(令和5年度、年公費交付額777万円、国費518万円、地方費259万円)。

プロジェクトの名称から見ても「10000」までにはまだ余地があり、事業化のヒントになるとともに、交付金も得られるため、新規事業に取り組みやすくする制度です。

ぜひ参考として、他府県・市町村の取り組みを以下より参照ください。

https://www.soumu.go.jp/main_content/001066217.pdf

「中小企業家しんぶん」 2026年 9月 25日号より