【代表理事に聞く】
自社と同友会、2つの承継を経験して 
(株)山形ピッグファーム 代表取締役 阿部 秀顕氏(山形)

 各同友会の代表理事による連載「代表理事に聞く」。今回は阿部秀顕氏((株)山形ピッグファーム代表取締役、山形同友会)の実践です。

山形同友会代表理事を今年度より仰せつかりました、(株)山形ピッグファームの阿部です。「中小企業家しんぶん」は、以前いつ来ているかも知らず、その中身でさえもさらりと見てゴミ箱へ。そんな存在でした。お恥ずかしい話です。山形では県の役員に向けた役員研修会を開催しています。そこでは数年にわたり、他の同友会から役員を招き、役員の役割や使命についてご講義いただいていました。中同協前会長の鋤柄さんにお越しいただいた時に「中小企業家しんぶんはいつ発行されているか」との問いに役員として答えられなかったのを今でも覚えています。「代表理事に聞く」の記事は代表理事となり、最も気になる記事の1つです。

さて、弊社は山形県山辺町で年間約5万頭の豚を出荷している養豚企業です。いろいろな作物を作る農家から父の時代に養豚一本に絞り、1965年に創業、周りの農家を吸収しながら規模を拡大、移転などを経て現在の規模に至ります。私は創業の5年後に次男として生まれ、大学卒業後の1993年より就農し、アメリカ研修などを経て現在に至ります。

同友会には1999年ごろから社員として参加させていただきました。父が同友会を深く信仰(?)しており、代表理事を務めたことから、私は代表理事の2代目ということになります。弊社から2人目の会員として正式に入会したのは2005年です。2007年に事業継承を目的に同友会で経営指針書を成文化しています。当然、父も参加の上で、父の経営指針書がある中でのことです。同友会で学んでいく中で、事業の継承をどのように進めていくかを悩んだ末の選択だと思います。私も55歳になり、経営者の仕事の非常に重要で大きな部分は継承であると考えるようになりました。

『経営を維持し発展させる責任』からすると当たり前ながら、本当に重要なことだと気づかされます。バトンを渡す側と受け取る側、それぞれが意識を合わせ理念をシンクロさせていかねばなりません。渡す側に大きな意志決定が必要です。誰にいつまでどのように…5W2Hです。受け取った側から渡す側へ立場を変えたとき、父の苦労が身に染みて感じられます。

ここで考えてみると、実は同友会でも同じことが体験できていました。受ける側、渡す側としての支部長の承継です。支部長を受けるときは前支部長の会社の都合で引き受けざるを得ませんでした。しかし、渡すときは色々な意味で勉強させられました。年数だけで交代していいのか、同友会理念や支部の理念を共有できているかなど、さまざまな視点から考えないといけません。幸い同じ思いの仲間に恵まれ、引き継ぎましたが、支部長の役割を終えても、役割がなくなるわけではありません。多くの課題が見えている前支部長だからこその役割もあります。同友会運動をよく知っている支部長は、役割が終われば、同友会を伝える語り部として支部に貢献しなければなりません。仲間を増やせる「語り部」となれるのです。

同友会と会社経営は不離一体とはよく言ったものだと本当に感じます。皆さんも同友会を使い倒して会社経営に生かしていきましょう。

会社概要

設立:1988年
資本金:1,000万円
社員数:49名
事業内容:豚肉の生産
URL:https://pigfarm.co.jp/

「中小企業家しんぶん」 2026年 10月 15日号より