同友エコ受賞企業(奨励賞) 
環境経営を武器に企業価値の向上を実現 
梅南鋼材(株) 取締役会長 堂上 勝己氏(大阪)

 同友エコ2025―2026受賞企業を紹介する本連載。今回は、奨励賞を受賞した梅南鋼材(株)(大阪同友会会員)の取り組みを紹介します。

 梅南鋼材(株)(大阪市西成区)は、1956年に鋼材の販売からスタートし、現在は金属レーザー加工・切断・曲げ・溶接までを行う企業として進化してきました。

 社員の平均年齢は32歳と非常に若い職場で、しかも女性社員が全体の28%を占めるなど、製造業でも大変注目されている企業です。

人間尊重経営を実践するために、エコアクション21にチャレンジ

 環境経営に取り組んだのは2008年、職場環境改善のために工場にエアコンを導入したのがきっけでした。

 しかし、導入してすぐに、電力会社が年間最多使用量を基準に基本料金を設定することを知ったのです。時代はリーマンショック直後でしたので、少しでも電力の使用量を下げるために、デマンド警報機を導入したり、社内全体の照明をLED化したりと省エネと作業効率を意識した設備を次々と導入していきました。

 そういった取り組みが外部機関から評価されるようになり、2017年の「環境人づくり企業大賞」奨励賞(環境省)を皮切りに、2019年には「経営者『環境力』大賞」を受賞。さらになにわエコ会議「CO2削減コンペ・プラスチックごみ削減コンペ」で努力賞を受賞しました。2020年には「環境人づくり企業大賞」優秀賞(環境省)、「環境コミュニケーション大賞」優秀賞(環境省)、なにわエコ会議「CO2削減コンペ・プラスチックごみ削減コンペ」大賞と数々の賞を受賞しました。2021年からは再エネ100宣言REActionにも参加しました。

 これは、外部団体と交流する中でアドバイスを受けて、積極的に企業の社会的価値を高めるために認証取得にチャレンジした結果です。

マンパワーに頼らぬエコアクションの継続で、価値の向上と差別化を

 2010年にエコアクション21の認証を取得したことをきっかけに、品質管理でもCO2が削減できるようになり、2013年にISO9001を取得しました。その結果、不良率を3分の1に削減することができました。

 このISO9001を取得するメリットとして、製品やサービスの品質を保つために必要な従業員の力量(スキル・能力)を、組織として計画的に確保・維持する仕組みがあります。

 その仕組みをエコアクション21の取り組みに生かし、マンパワーに頼るのではなく、日常の業務でPDCAを回し、自然と環境経営に取り組める社内環境をつくりあげました。

 そして多くの関連認証取得を武器に他社との差別化を図る経営戦略として、2024年にSBT認定、そして「脱炭素経営宣言」に登録しました。

 現在では同社の出荷分の鋼材のCO2排出量を自社で数値化できるようになり、将来的には他社との差別化の大きな力となると堂上氏は確信しています。

人間尊重経営の究極は環境経営の実践

 人間尊重経営を進める中で、エコアクション21の取得、「健康経営優良法人2018」の認定、2020年のレジリエンス認証の取得、2024年の「パートナーシップ構築宣言」など、社内外の信頼を高めるために数々の認証取得にチャレンジしてきました。

 東日本大震災の被災地の視察や、世界各地で多発している自然災害を目の当たりにする中で、同社は自社内だけの取り組みにとどまらず、次世代が安心して暮らせる持続可能な地球環境と企業づくりに取り組むことこそ、真の人間尊重経営の実践と捉えるようになりました。現在は、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の3つの視点で、持続可能な社会の実現と企業価値の向上をめざすESG経営を推進しています。

会社概要

設立年:1956年
社員数:57名
事業内容:ファイバーレーザー加工機を中心に、切断・曲げ加工・溶接・穴あけ・バリ取りなど、材料調達から加工・納品まで一貫対応
URL:https://www.bainan.jp/

「中小企業家しんぶん」 2026年 11月 5日号より