他の会とのちがいを 埼葛地区(埼玉) 埼葛地区会長 鈴木 逸郎氏(寒梅酒造(株)七代目)

―地域の特徴は。

鈴木 埼玉県の5市9町にまたがり、田園地帯、工業団地、東京のベッドタウンが混在しています。広い地域ですから、梨、いちご、うどん、こいのぼり、繊維、半導体などいろいろなものが作られています。久喜市は水がとてもきれいで、周辺の造り酒屋も汲みに来ます。

―最近の地区会活動は。

鈴木 例会が柱であることは言うまでもありませんが、8月に経営指針をテーマにした例会を開き、その後3カ月連続して経営理念の自主的勉強会を行っています。来年1月からは会員企業訪問勉強会を予定しています。忘年会の企画をめぐっての幹事会での議論は、「楽しくやればいい時代もあったが、今年1年を一人ひとりが振り返り来年の課題を語る場にしよう」ということになりました。新しい人が来た時に、他の会とはちがうという印象を持ってもらうためにも大切だと思います。

―今年地区会は15周年を迎えられたそうですが。

鈴木 9月7日に記念式典と記念事業を行いました。単なるセレモニーにするのではなく、地区会の歴史を振り返り、ビジョンをつくり、会員を増やす大事な節目と位置づけて取り組みました。

 15周年をはさんで地域内の多くの経営者に入会の勧めにうかがいましたが、厳しい時代だけに同友会の呼びかけにこたえてくれる人が多いことを実感しました。「会社の方針を作りたいと思っていた。数百万円の費用がかかると思っていたが、同友会を知って驚いた」「親会社から経営指針のない企業との取引は今後は考えないと言われている」など、同友会に入るべき人、学ぶ意欲の高い人は、たくさんいます。

―最後に今後の展望を。

鈴木 大きく活動を変えていかなければならない時期だと思います。以前私が地区会の経営委員長を務めた時、経営指針作りを取り上げましたが、会全体へ広げるまでには至りませんでした。今は行き当たりばったりの企画ではなく、継続的に取り組まなければなりません。全国レベルの学びに地区会段階でも挑戦する必要があると思います。そういう学びの場が作られてこそ、同友会の理念を理解した人が地域に増えていくことにつながります。

▼埼葛地区会の概要
設立 1987年
会員数 68名
役員数 31名
対象地域 久喜市など5市9町(人口57万人、企業数約5000社)

「中小企業家しんぶん」2002年12月15日号より