大学生が参加してつくる企業紹介
インターンシップ研修からはじまった
(有)WITH NET 社長 山田修氏(愛知)
学生と企業のコラボレーション
パソコン関連支援サービスの(有)WITH NET(山田修社長、愛知同友会会員)は、大学生のインターンシップ受け入れがきっかけとなり、新たな事業展開にチャレンジしています。
インターンシップ研修では、学生は社長に張り付き、地元の会員企業訪問やパソコン修理に同行するなどで学びました。
研修終了後、学生はアルバイトとして残りました。
社長の山田修氏は、「中小企業経営者の真剣な学びの場面を体感して欲しい」との思いから、愛知同友会の「あいち経営フォーラム」(研究集会)の模様を学生数人で撮影し、その場で編集、懇親会で1日を振り返るVTRを放映しました。
学生がつくる求人VTR
インターンシップ研修とフォーラムのVTRづくりを通して、大学生の持つ発想力と、行動力に気づいた山田氏。なんとか、若者のもつ魅力と能力を発揮させる場をつくりたいと考え、まずは、新卒採用時に使用する、企業紹介VTRの作成に踏み切りました。
値段は格安、なおかつ、これから就職しようとする学生自身がクライアント企業と社長の魅力を研究し、つくり込んでいきます。
同時に、ホームページやパンフレット、DVDの作成なども手がけ、学生は取材を通して、地元中小企業の魅力に触れ、企業としては、今まで気づかなかった自社の魅力発信にもつながっています。
大学キャリアセンターとも連携
企業の新卒採用情報を提供するパソコンの専用端末(3社が協力して開発)は、地元中小企業の人材確保支援に向け、県内大学のキャリアセンターに設置しています。現在、8つの大学に設置されており、学生はいつでも登録企業の会社紹介VTRなどを閲覧できます。
このVTRも学生が中心となって作成する予定で、将来的にはインターンシップのマッチングにも参考となる、企業紹介情報も登録することを検討しています。
山田氏は、「学生の就職活動は勝手なイメージだけで進んでしまう。PR力の弱い中小企業にとっては、実際に企業に足を運んでもらうことは難しい。それなら、こちらからリアルな情報を学内に持ち込もう」と、具体化に踏み切ったといいます。
人と人、人と企業をつなぎたい
現在、このような産学連携がすすむ中で、官も加えた動きも始まっています。
地元大学の学生がゼミ単位で集まり、大学教員、商工会議所、行政などと連携した商店街活性化に向けたホームページの作成にも、同社は協力しています。
「中小企業の魅力を学生に伝えていきたい。また、多くの経営者に若者の素晴らしさ、新卒採用の重要性も認識してほしい」と山田氏。
「自社は人と人、人と企業をつなぐ中間支援組織です。若者と地元企業が顔を合わせ、お互いよく知り合い、学び合うことで、結果として地域社会も発展していくはず」と力を込めて語る山田氏に、学生のリーダーも、「社長、それができるのが中小企業の魅力ですよね」と、目を輝かせていました。
【会社概要】
創業 2000年
設立 2004年
資本金 300万円
年商 3000万円
社員数 2名(アルバイト3名)
業種 パソコン関連支援サービス
所在地 愛知県稲沢市国府宮
TEL 0587-21-5771
URL http://www.withnet01.com/
「中小企業家しんぶん」 2007年 12月 25日号より