いつも学び合いの原点に戻って 品川支部(東京) 品川支部長 斉藤 義弘氏(インターワイヤード(株)社長)

―まず品川という地域の特徴を。

斉藤 江戸時代は日本橋から西へ向かう東海道の最初の宿場が品川でした。武蔵小山、戸越銀座など商店街も頑張っていますが、大崎地区、天王洲地区などに大規模開発による大きな商業施設ができてきました。工業は大企業の下請けとして、電気・機械・通信・精密機器などを中心に発展してきましたが、現在は製造業の減少が目立っています。バブル時代に開発に走らなかったので、区の財政は健全です。

―同友会で学ばれたことは。

斉藤 1990年に入会しました。共同求人に魅力を感じて入会したので、支部活動への参加は2年後くらいからでした。同友会で学んで私が気づいたことは、(1)自社が井の中の蛙であったこと(2)私がやっていたことは経営者の仕事ではなかったこと(3)会社の風土を変えていかなければならないことでした。

 経営指針の作成、新卒採用、社員教育に取り組めたのも同友会のおかげです。私は弊社の4代目社長に当たりますが、学校を卒業後すぐ叔父の経営する会社に入ってしまったので自社以外のことはなにも知らず、同友会で学んだ経営に関することは砂地に水が滲みこむように活(い)きてきました。

―支部活動の特徴を。

斉藤 年間のスケジュールがきちんと決められています。毎年2月に1泊の拡大幹事会を開き、ここで向こう1年間の活動を練ります。この幹事会に向けては、アンケートやヒヤリングなどの準備をして臨みます。幹事会は、2回に1回は昼間開いています。出席率は7割くらいで、さまざまなことを議論するときの経営者としての視点の違いがお互いにとても勉強になっています。

 品川区との関係もこの間強くなってきました。四半期ごとに開かれる景況報告会では、金融機関、商工会議所、各商工団体と並んで同友会も調査に基づく報告を行っています。区長懇談会にも出席しています。

―支部長として今考えられていることは。

斉藤 同友会の役員はボランティア活動をしているのではありません。すべての活動から学ぶという姿勢が大切だと思います。同友会は他の会と比べると、学びに無駄がありません。全国研究集会を含めて、他県で7回ほど例会の報告者として話をさせていただきましたが、他県へ行くと、会員同士のつきあう密度の濃さを感じます。そのあたりは見習うべきだと思います。

 また、支部活動は学びあいの原点にいつももどるように努めることが大事だと感じています。新しい経営課題に挑戦している経営者に入会していただくことにも力を入れていきたいと思います。

▼品川支部の概要
設立 1982年
会員数 81名
役員数 28名
対象地域 品川区(人口32万4000人、企業数約8400社)

「中小企業家しんぶん」2003年 2月15日号より