―横浜の特徴は。
神崎 人口は350万を超え、東京区部を別にすれば全国一です。その昔、京浜工業地帯と言われた東京湾沿いの地域、観光・商業都市の色合いの強い市の中心部、東京のベッドタウンである市北部など、いろんな顔を持っています。今年新しい鉄道が開通し、中華街や元町などでは、はやっていない店でも売上が倍になり、はやっている店は3倍以上になっていると聞いています。
―同友会入会のきっかけは。
神崎 当社のお客様であった同友会会員の社長に、総会に連れて行かれ、入会申込書を渡され、半ば強制的に「これにサインしなさい」と言われました。それが20年前のことです。もっとも、社員もおらず、自分でトラックを運転している毎日でしたから、会員の皆さんが話していることは理解できず、5年くらいはほとんど出席しませんでした。
―なぜ出席するようになったのですか。
神崎 得意先の倒産による借金を必死になって返し続け、返済を終わったらやることがなくなってしまったので、例会に出てみました。その時の報告者の方は、私と同じくらい小さい会社の社長でしたが、斜陽の業界にありながら、大きなビジョンを語っていることに驚かされました。
―その後同友会で学んでこられたことは。
神崎 そのころ神奈川同友会で始まっていた経営指針づくりの活動に参加しました。なかなか完成せず、香川で行われた全国総会の時、同室の会員の援助で朝までかかって作り上げました。
恥ずかしいので、社員には何をやるとも説明をせず、集まってもらい、社内で発表しました。ところが、「何言ってんだかわかんねえや」と5人の社員のうち4人が途中で退席する始末。なかなかわかってもらえず、ある会員に「うちの社員は何回言ってもわからないですよ」と相談したところ、「一生言い続けることだよ」と言われました。このころから、わからない社員が許せなかった自分が変わり始めました。
―支部活動の特徴を。
神崎 経営体験報告が例会の中心であることは言うまでもありません。この間、幹事会がどうも運営の議論中心になって、「おもしろくない」という意見も出始めていたので、今年度から「例会運営委員会」と「ヨコハマ活性化委員会」を発足させ、例会運営等の細かい議論は委員会に任せました。また正副支部長会議で、運営に関する問題などは方向を定めておいて幹事会に臨むようにしたので、幹事会は経営について学びあえるようになり活気が出てきました。
―今後の抱負を。
神崎 現在のやり方を発展させて、経営に役立つ楽しい幹事会づくりをさらに進めたいと思います。以前は会員増強が重たかったのですが、昨年の神奈川同友会の経営フォーラムで50名入会したので自信が持てました。気軽な増強に取り組みたいですね。
▼横浜支部の概要
設立 1965年
会員数 215名
役員数 25名
対象地域 横浜市(人口355万人、企業数3万8545社)
「中小企業家しんぶん」 2004年 8月 15日号より