同友会で学んだことを広く伝えていきたい 東・阿支部(大阪) 東・阿支部長 下林 浩子氏(大鶴食品工業(株)社長)

―地域の特徴を。

下林 大阪市の南東部に位置し、全体としては商業と住宅の街です。阿倍野区は交通の要所、天王寺駅があり、東住吉区は魚や野菜を扱う東部市場、セレッソ大阪の本拠地・長居陸上競技場などがあります。古い町並みも残っていて、武家屋敷などもあります。

―入会のきっかけは。

下林 社長だった夫が病気でなくなり、それまで主婦だった私が何もわからないまま社長になリました。そんな折、業界の会合で一緒になった東京同友会の会員から勧められて入会しました。初めて出たのが女性部の総会でした。亡くなった夫の友人が部長だったことも幸いし、女性部の会合と支部の例会は欠かさず出席してきました。

―同友会で学ばれたことは。

下林 まず元気な人たちの姿を見て勇気づけられたことと、多くの人と出会って相談相手になってもらったことですね。女性部だと本音で言いやすく、私生活も含めてお互いにさらけ出して付き合えます。

 昨年大阪で開いた全国女性部交流会では動員部長を担当し、交流会の準備を通じて女性部の会員を100名から200名に増やすことができました。支部では男性経営者から経営に対する視野の広さや懐の深さを学んできました。主婦であった自分と比べ、会員の皆さんが経営に対して真摯(しんし)な姿勢で臨んでいることは大変な刺激でした。

 この1年、赤石会長や滋賀の本間代表理事の話を聞き、これまで自分が同友会で学んで実践してきたことは、まだ助走期間にすぎなかったことがわかりました。社員を本当の意味でパートナーにして育ち合うという課題に今挑戦し始めたところです。

―支部活動の特徴を。

下林 「例会委員会」、「仲間を増やそう委員会」(会員増強)、「東・阿経営塾」(経営の悩みを出し合い経営指針づくりをめざす)の3つを柱に活動しています。また「ホワイトクラブ」(女性経営者や経営者夫人向けの勉強会)も定期的に開催しています。今年度77名の会員でスタートし、これまでに16名の新会員を迎えました。10月には、報告者をたてずにグループ討論の中で悩みや異業種間の販売戦略を出し合う例会を行い、5人の方に入会いただきました。年度当初にたてた年間の目標14名をこの時期に早期に達成できました。

―最後に支部長としての抱負を。

下林 自分がこの間学んだことや、社員をパートナーにして会社を発展させるということを、新会員の方やまだ同友会を知らない経営者に伝えていきたい、という思いが今はいちばん強いですね。支部会員さんと共に協力しあって、今年度中には100名を目標に取り組んでいきたいと思います。

▼東・阿支部の概要
設立 1996年
会員数 90名
役員数 22名
対象地域 東住吉区、阿倍野区(人口24万4000人、企業数3400社)

「中小企業家しんぶん」 2004年 12月 15日号より