地域の発展考える理念の筋が通った支部に 生野・天王寺支部(大阪) 生野・天王寺支部長 田中 輝廣氏((株)タナテック会長)

―はじめに地域の特徴を。

田中 大阪市の生野区と天王寺区にまたがる支部です。JR環状線の内側が天王寺区、外側が生野区です。天王寺区は交通の要所、天王寺駅があり商業・サービス業が中心、生野区は孫請けなどの町工場が多い地域です。

―同友会入会のきっかけは。

田中 99年に入会しました。きっかけは日本経済新聞に折り込まれていた支部例会のチラシを見て参加したことです。

 例会は驚きでした。他人の意見を聞いて、自分の意見も発表できる。2次会に行っても延々と理念の話が続く。こんな会があるのかと思いました。景気の悪い大阪を救うには、こういう会を大きくしなければという印象でした。

―同友会で学ばれたことは。

田中 全国行事はほとんど参加してきました。同友会理念を本当に実践している人たちにたくさん出会えますね。

 息子が2人いますが、同友会で後継者へのバトンタッチの方法を学ぶことができたので、2人に上手に渡すことができました。友人からも「うまく譲ったなあ、どんなふうにやるんや」とうらやましがられました。

―支部活動の特徴を。

田中 今年は年間の例会の大きなテーマは「経営理念」です。今後、中小企業が生き残る上で、理念をあいまいにできない、ということに多くの皆さんが気づき始めています。会歴の長い会員で、例会に出てきていない人に対して、幹事が8チームに分かれて訪問活動をしています。会社の状況をじっくり聞き、その場が「例会」になっています。

「労使見解」(中同協「中小企業における労使関係の見解」)の理解と実践にはかなり力を入れています。支部3役では最低3回は読んで感想文を書き、今は幹事全体で同じことをやっています。支部全体へ広げていきたいと思います。

―今後の抱負は。

田中 大阪で一番の支部を目指し、まずは2007年3月に200名の支部にする計画です。その時に、理念の筋が通った組織でないと、そこから先へ進めませんから、それを見越して「労使見解」の勉強をしているのです。そしてもっと真剣に地域の発展を考えていこうと思います。

▼生野・天王寺支部の概要
設立 1996年旧南部支部から独立
会員数 175名
役員数 31名
対象地域 生野区、天王寺区(人口20万1000人、企業数5064社)

「中小企業家しんぶん」 2005年 8月 15日号より