「入って良かった」と思える支部に 西支部(大阪) 西支部長 藤原 輝之氏(藤原運輸(株)取締役副社長)

―地域の特徴を。

藤原 西支部は、大阪市内の西、浪速、港、大正、西成の5区で構成されています。昔から鋼材のシャーリング、ネジ、ボルトの加工など大手企業もありますが、中小・家内工業の集積された地域です。当社も戦前、祖父の代に港湾の石炭荷役から始まっており、物流の拠点でもあり、サービス業も広範に存在しています。

―同友会入会のきっかけは。

藤原 15年前、中小企業大学校の後継者コースで学んでいた時、会員から勧められ入会、翌年支部役員になりました。この数年前から役員研修講座で学び、経営に対する自分の考えを確立してきたと思います。さらに、2年前支部長に就任、全国行事にも積極的に参加することで視界がグンと広がりました。

―同友会で学ばれたことをどう経営に取り入れていますか。

藤原 当社には確たる経営理念はありませんでした。数年前から経営指針成文化セミナーに参加、経営理念を作成し、本社の管理部門の幹部6人でつくる「コンパス会議」で論議しました。当社は、850名の社員を抱えており、企業内組合があります。3年前、3月の定期大会で経営理念を発表しました。翌年、修正し再発表、その時「理念は分かったが、どう行動するのか」と意見が出されました。そこで、コンパス会議で練り直し、今年3月行動指針も発表しました。また、中同協発行のパンフ『人を生かす経営』(「中小企業における労使関係の見解」を所収)を購入、まず事務職の社員約200名に配布し、読後感想文を集め、われわれ自身も学習しております。

―支部活動の重点についてお聞かせください。

藤原 まず幹事の学習を重視し、主な幹事に大阪全体での役員研修講座を受講してもらいました。幹事会での『同友会運動の発展のために』の読み合わせ、支部独自の車座的な勉強会として「経営指針を生かす会」を毎月開催。お互いの経営理念のフエイスシートを出し合い、指摘しあう。現在は中同協赤石会長の著書『経営理念』を読み合わせしています。幹事自身が、自社の経営実践を通して、「同友会理念を語り続け、実行し続けること」が大切です。もちろん、例会づくりは最重要課題です。例会では、ハウツーはやらず、仲間の経営実践を徹底して学びあうことにしています。

―今後の抱負は。

藤原 2005年度は増強目標を超過達成(37名)し、純増22名で18支部中トップになりました。皆さんが「西支部に入って良かった」と思える支部にしたいものです。私自身は、経営と同友会運動、この両輪こそ使命と考えています。楽しいと思える活動にしていきたいものです。

▼西支部の概要
設立 1986年
会員数 213名
役員数 53名
対象地域 港区、西区、大正区、浪速区、西成区(人口41万6000人、企業数1万2000社)

「中小企業家しんぶん」 2006年 4月 15日号より