人々の暮らしを支え、日本の良識を代表する組織に

人々の暮らしを支え、日本の良識を代表する組織に

 中同協は、2010年に全国5万名会員を実現するという目標を立てて会員増強運動を進めています。各同友会もそれに歩調を合わせつつ、2010年までの独自の増強目標を持って取り組んでいます。全国の会員増強運動の促進のために、「中小企業家しんぶん」では「2010年5万名会員をめざして」と題して、会員増強の意義、運動の進め方などを、各地の事例をまじえながら紹介していきます。

同友会への期待が強まる中で組織の拡大強化

 1969年、5同友会640名の会員で中同協は設立されました。当時からの役員は「中同協ができたころは、将来1万名くらいの組織になればいいねと話し合っていたものです。これほどの組織になるとは感無量です」と語っています。1万名会員は80年に達成、86年2万名、89年3万名、92年4万名と会員数を伸ばし、最高時は4万778名の会員数を記録しました。

 バブル崩壊後の90年代半ば以降、停滞期に入り、会員数は約1割減少しましたが、経営環境の変化に応じた学びあいの充実など活動改善が進み、この3年で約2000名の会員増を果たしました。

 これまでの同友会運動では、会員増強活動は個々の同友会がそれぞれ取り組み、全国的な会員増強目標を決め、期限を定めて追求したことはありませんでした。しかし、日本経済と地域経済の早期の再生が焦眉の課題になっていること、そこに果たす同友会と中小企業の使命の大きさ、そして地域のさまざまな機関等からの強い期待などから、全国の同友会が心を1つにして組織の拡大強化に取り組むことになりました。

5万名実現の意義

 2010年5万名を実現することの意義は次の点にあります。

 第1に、同友会で学ぶ企業が増えるということは、経営指針を確立し、社会的存在意義を高め、社会的使命感に燃えて事業活動を行う企業が増えることです。国民や地域と共に歩む企業づくりが進み、新しい生活文化による豊かな国民生活の実現につながります。

 第2に、社員とともに育ち合う企業が増えることです。「労使見解=中小企業における労使関係の見解」の精神を企業経営に生かし、社員が経営理念と生きがい働きがいを重ね合わせて働くことができる企業が地域に広がります。

 第3に、企業間ネットワークや産学官の連携強化を促進し、新しい市場の創造、雇用の拡大への力となります。同友会の会員企業が地域のネットワークの核となり、新しい仕事づくりの可能性が広がります。

 第4に、中小企業憲章の制定を現実のものにし、人間を大切にする経済社会を創造していく運動が広がるということです。中小企業を日本経済の中軸にすえることにより、日本経済の均衡の取れた発展を推し進める力、一人ひとりの人間が幸せになる社会システムを創(つく)る力となります。

 5万名会員を達成することは、以上のような社会的課題を実現していく1里塚ということです。

 5万名会員を実現すると、日本の中小企業家(法人企業)の約3%を組織することになるとともに、社員と家族を含め、数百万人の声と力を結集する組織になります。中小企業にかかわる多数の人々の暮らしを支え、日本の良識を代表する組織としてその重みはますます増大します。

「中小企業家しんぶん」 2006年 2月 15日号から