地域から頼りにされる組織づくりとは
三重同友会副代表理事 前田 光久氏 【三重】
中同協は、2010年に全国5万名会員を実現するという目標を立てて会員増強運動を進めています。各同友会もそれに歩調を合わせつつ、2010年までの独自の増強目標を持って取り組んでいます。今回は、三重同友会の実践を、2月16日に名古屋で開かれた「中日本ブロック会員増強交流会」での前田副代表理事の報告から、紹介します。
経営の本質を学べる会今なら枠があいている
三重同友会は、いわゆる「会員増強月間」というものは設定したことはありません。
私自身は、20年前に入会しました。勧めてくれたのは宮崎代表理事です。社長就任直後だった私は、経営のハウツーをいろいろ勉強していました。そんな私に「経営の本質を学べる会がある。ただし、だれでも彼でも入れるわけではないが、今なら枠があいている」と勧めてくれたのです。
このあたりの勧め方も、三重同友会の増強戦略を象徴しています。
会員の経営に共感した経営者が入会
三重同友会の会員増強は、会員企業の経営に対して共感した経営者が入会してくるようなスタイルを大事にしています。
企業経営を学びたい、自分を成長させたいという願いにこたえるのが増強です。
ですから三重では、この人を同友会に誘うことが、この人自身にとって本当に幸せだろうか、この人が入会することが私たちにとって幸せだろうか、ということを考えながら増強をしています。
また、買いたい人、学んで何かを吸収したい人は歓迎しますが、売りたい人、教えたがる人は敬遠しています。
宮崎代表理事もよく「同友会は自分が出した分だけ入ってくる会だ」と言っています。自分から発信すれば、それだけ学べるということです。
いつも経営談義に花咲く理事会
同友会における役員の最大の役割は、自社の経営を発展させ、その経験を同友会にフィードバックすることです。ですから正副代表理事会議の場でも、いつも経営談義をしています。役員が常に経営を語っていることにより、同友会はいつも新鮮さを保つことができます。理事会や幹事会も同様です。
役員だけでなく、会員にも自らの経営を語ってもらうことに力を入れています。一人ひとりの会員が経営を語り、それに対してお互いに温かくチェックしあうことは、同友会活動の基本です。このことで会は活性化します。
こういう気風は、会員増強にも反映し、会員皆さんは「これだけ経営についてフランクに話し合える場なのだから、あの人も誘ってみよう」という気持ちに自然になります。
行政や金融機関からも頼られる存在に
今、三重同友会は地域から大変期待されています。行政や金融機関から頼られるようになってきました。
同友会として、外部機関の仕事を一方的に請け負うのではなく、地域を担うもの同士としてパートナーの関係を築くことが大切だと考えています。地域のために共に手を携え、知恵を出し合うことです。
それだけに、地域内で存在価値のある組織にすることが、ますます重要になってきています。それは、地域からあてにされる企業の集団になる、ということです。
「中小企業家しんぶん」 2006年 3月 15日号から