増える会に行政の期待高まる

関西会員増強交流会から

 4月14日、京都で「関西ブロック会員増強交流会」が開かれ、6同友会から44名が参加しました。田中信吾・中同協副会長(兵庫同友会代表理事)の冒頭あいさつを紹介します。

内向きの活動から外向きの活動へ

 昨年、中同協に「2010年5万名推進本部」が発足し、重点方針の1つとしてブロックの会員増強交流会の開催を掲げてきました。その締めくくりが本日の交流会で、関西ブロックとしてこの種の会合を開催するのは初めてのことです。

 同友会運動は、金融アセスメント法制定の運動に取り組んで以降、変わってきたと思います。企業づくりにウエイトを置いた、どちらかといえば“内向き”の活動から、“外向き”の活動になってきました。

「経営環境は変えられる」確信を力に

 金融アセスメント法の運動を通して、外へ打って出れば、経営環境を変えられることが実感できました。日本経済を再生、復活させるのは私たち中小企業である自覚が深まりました。

 経営環境の転換を現実のものにするために、中同協では2010年に全国の会員数を5万名にするという目標を掲げました。中小企業経営と同じで、組織づくりも挑戦し続けることが大切です。各同友会におかれましても、明確な目標を掲げて挑戦していただきたいと思います。

兵庫・1000名を維持する努力が政策変化へ

 兵庫同友会は、一時期会員数が1000名を切りかけたことがありましたが、どんなことがあっても1000名を維持しようと、必死の努力を続けてきた結果、地域の風向きが変わってきました。

 兵庫同友会の努力が、「中小企業を活性化させないでは地域の発展はない」という認識に基づいた政策の変化と結びついたのです。地域を元気にするた めの政策を効果的に実施したい、と行政が地域を見渡した時、会員数を減らしていない団体が1つある、しかも大変勉強熱心で、個々の会員が経営を発展させて いる、こういう出合いだったのだと思います。

 同友会が注目され、光があたってきた時、同友会の役員の企業経営の内容が問われるということを身をもって感じました。

問われる会活動の質と会員企業の質

 以前から、同友会の会員一人ひとりは辞書の1ページと言われてきました。辞書は厚いほうがいいに決まっています。質が量を呼ぶとも言われます。同 友会の質を高めれば、量的にも増えるというわけです。その場合、質の中身が問われます。活動の充実、会員企業の発展、2つの意味で質が高くなければなりま せん。

 組織というのは成り行きに任せていれば、必ず数は減ります。会員数の5~10%を増やして、やっと現状維持ができます。増やすための独自の努力が必要なのです。

リーダーの本気で進む増強

 最終的には、各組織のリーダーの考え方と真剣さが会員増強の成否を決めます。「自分の任期中は質を高めることに専念する」いうリーダーの下では、会員は増えません。リーダーが本気になった時、間違いなく増強は進みます。

「中小企業家しんぶん」 2006年 5月 5日号から