中小企業の存在意義を自覚して【千葉】

「100名増やす運動」を楽しく展開

 千葉同友会は、2005年3月に1000名会勢を回復後、7月には創立30周年事業の一環として中同協第37回定時総会を千葉で開催し、運動としての盛り上がりを作り出してきたものの、会員増強については一進一退を続けていました。

 そこで2005年の秋以降、会員増強委員会を中心に組織的な取り組みに向けて地道な努力が重ねられ、12月には全支部から増強委員を出すことができました。

 2006年、年明けから、頑張れば十分達成可能な数値目標として「100名を増やす運動」を提起し、支部別目標を具体的に設定しました。

 その結果、目標期限の3月には39名の増強、また1月以降では計60名の増強を行うことができました。4月以降もあきらめることなく目標達成を粘り強く追求。4月に36名を増強し、期限からは遅れたものの、5月上旬に100名の目標を達成することができました。

 この運動での教訓は、(1)増強運動の意義を楽しく語り合う、(2)地域金融機関との連携の2点です。以下にその詳細を紹介します。

増強の意義を楽しく語り合う

 会員増強委員会では、増強運動の意義を繰り返し楽しく語り合ってきました。そこで話し合われたことは、

(1) 同友会は会員一人ひとりが自ら主体者として創(つく)り上げていく組織であり、会員相互に自らが同友会運動を担うという立場でさまざまな課題に前向きに挑戦していく気風を広げていく。

(2) 増強は文字通り“増と強”であり、自社の経営と同友会とのかかわりを振り返ることによって、自らを鍛え、経営者として成長する大きな機会となる。

 したがって同友会を会外の経営者に薦めるにあたっては、相手の経営上の悩みや課題をどれだけ引き出せるか、その悩みや課題に同友会がどうこたえることができるのか、また自らの経営上の悩みや課題が同友会に参画することでどのように解決することができたかを具体的に語ろう。

 このことは社内で社員の意見・要望を引き出し、全社員参画型経営を行う上での経営者としての力量をアップすることにもつながるのではないか。

(3) 増強は、単なる数あわせではなく、中小企業の存在意義を自覚し、社員が生き生きと働ける企業づくりの輪を地域に広げることを通じて、「地域を変え、千葉県を変え、日本を変える」という壮大な志をもった運動。したがって、支部の枠だけにこだわらず、全県を視野に置いた取り組みにしていこう。

金融機関から対象企業の紹介が

 3月以降は地域金融機関に対する働きかけを強め、4月には、ある地域で、地元の支部例会に何度か参加し、同友会を理解された地元の支店長さんが、積極的に取引先に経営を学んでもらいたいと同友会への誘いを手伝ってくれるなど、新しい取り組みが広がりました。

 千葉同友会では、今後この運動の成果に確信を持ちながら、より地域に責任を持てる支部をつくるために、支部ビジョンの持てる組織づくりや、各専門委員会と支部との連携を図るなど、組織的・日常的な増強体制づくりに本格的に力を注ぐ決意を固めあっています。

「中小企業家しんぶん」 2006年 5月 15日号から