リーダーが本気になり、楽しく増やす【兵庫】

魅力ある同友会づくりが会員拡大を保証する

兵庫同友会副代表理事(前阪神支部長) 山城 雅照氏

 阪神支部の地域は、芦屋市、西宮市、尼崎市、伊丹市、川西市、宝塚市という6市、人口約157万人、企業数は約1万2500社です。現在会員数は200名なので、組織率から言っても、まだまだこれから伸びる、兵庫県で一番元気な支部の支部長を2年間やらせていただきました。

 昨年度の会員拡大で成功した理由が大きく2点あります。

支部ビジョンを掲げて

 まず1点目に、「阪神支部2005年ビジョン」を2000年に作ったことです。当時は、会員は100名に至りませんでしたが、2005年には200名を達成しようとビジョンでうたいました。また、経営指針を会員全員が成文化しようと決めました。そのために、入会してくる方には、B4版1枚の「わたしの経営」という経営指針書の元になる用紙を全員に書いていただくようにしております。

 そして、JR尼崎駅前という便利な場所に、はんしん事務所を置き、地域の活動拠点としました。

自信を持って本気でお誘い

 2点目は、会員拡大を進めるスローガン「自信をもって、本気でお誘い」を掲げたことです。これができなかったら会員拡大はできないということです。

 それには3つの輪がありまして、「妥協のない学び合い」、要するに例会のことです。次に「学びの実践の成果」、経営指針書を作って実践し、企業を発展させる。そして「参画意識」、組織の力、信頼、支部の活性化、この3つが絡み合ってレベルが上がってくると、会員拡大が進みます。まず支部でもビジョンを作って、自信を持って本気でやる。ここが今回の成功の要因かなと思います。

増強と定着の担当は分けて

 会員増強の具体的な方策は5点あります。

 まず1点目、会員拡大委員会の役割は拡大だけです。フォローは、入会して3カ月以内に、会員サポート委員会が必ず訪問する形を取っております。

 2点目は、会員拡大委員会のメンバーは会員拡大委員長が指名し、それが副支部長であっても、ブロック長であっても、指名されたら断れないことにしています。委員長は、経営指針を成文化・実践している会員の中から、自分とウマが合う信頼できる10名近くのメンバーを決めて、日常的に連絡を取り合い、徹底的にやるということです。

ゲストへの事前訪問

 3点目は戦略として、入会数ではなく、例会へのゲストの数を目標にしています。過去の実績をみると、3人のゲストが来ると、必ず1名入会しているという統計的な数値があるからです。

 今月10名の入会者が必要なら、30名のゲストを例会にお誘いすることに徹底的にこだわって取り組みました。そしてゲストの参加が決まったら、可能な限り事前に会社訪問します。普通は例会の後で「どうでしたか」ですが、そうではなくて、例会開催以前に、会員拡大委員のメンバーが経営指針書を持って会社訪問をして、「同友会に入って経営指針書を作ったらこんなに会社が良くなった。あなたの会社もこういうふうにしたら、良くなりますよ」ということを語るのです。そうすると、例会に来ると、その場で「入会します」ということになります。また、例会後の懇親会の席が会員拡大の場になっておりまして、会員拡大実行委員会が運営しています。

月2回の拡大委員会

 4点目、会員拡大委員会は月2回以上開催しました。開催日が大切です。1回目の開催日は、必ず例会の翌日です。例会に参加されたゲストの方へ、いつ企業訪問するか、入会手続きを済ませるかを打ち合わせします。もう1回は理事会の1週間前に再度、目標が達成しているか、してなかったらどこを急所に動くかを決めます。

会員さんは紹介だけ

 5点目に、会員と拡大委員の役割を、明確に分けました。会員さんについては、紹介とお誘いだけです。会員拡大委員が経営指針書を持って訪問する。会員さんに負担がかからないように、軽いタッチで紹介だけをお願いしております。

 最後にもう1点、事務局の方と本当に信頼関係を結んで一緒にやったこと、ここに阪神支部が成功した、また兵庫同友会が成功した大きな要因があると思います。

(中同協第38回総会第3分科会より)

「中小企業家しんぶん」 2006年 10月 15日号から