障害者雇用でアンケート(東京・大阪・北海道)

障害者雇用でアンケート(東京・大阪・北海道)
知りあい、理解しあう活動を広げよう

 同友会会員企業における障害者の雇用について、東京、大阪、北海道(札幌)でアンケートを行い、その結果が各機関紙で紹介されていますので、調査結果の概要をまとめて紹介します。なお、「バリアフリーの社会をめざして」をテーマに、「第13回障害者問題全国交流会」(中同協主催)が福岡で10月26~27日に開かれ、障害者雇用や福祉機器の開発、地域における障害者の就労支援などを深めます。

 東京同友会では、3月から4月にかけてアンケートを実施し、216社が回答。大阪同友会では、4月に実施し、164社が回答。北海道同友会札幌支部障害者問題委員会では、8月に実施し、342社分を集計しています。

 まず、障害者雇用の有無では、「雇用している」が東京13.0%、大阪18.8%、北海道31.5%、「過去に雇用経験」が東京13.4%、大阪13.1%、北海道17.0%、「雇用経験なし」が東京73.6%、大阪66.3%となっています。

 北海道で雇用割合が高くなっているのは、障害者の法定雇用義務のある従業員56人以上の企業が88社含まれるなど、回答企業の企業規模が比較的大きい(平均従業員数77名)からではないかと推定されます。法定雇用義務のある企業を除くと、雇用企業割合は約17%となり、東京、大阪とほぼ変わりない雇用状況となっています(東京、大阪では、従業員数規模による集計はされていないため、はっきりとした比較はできませんが)。

 ちなみに、北海道での56人以上規模(88社)での障害者雇用状況は、「雇用している」70.5%、「雇用歴あり」19.3%、「雇用経験なし」10.2%となっています。

 次に、「雇用に踏み切れない理由」をみると、「雇用するだけの仕事がない」(東京23.2%、大阪24.4%)、「障害者との接点がない」(東京20.7%、大阪18.8%)、「受け入れる施設・設備がない」(東京17.3%、大阪30.0%)、「障害者に適した仕事がわからない」(東京13.3%、大阪23.8%)、仕事の内容が危険で適さない」(東京5.5%、大阪23.8%)などとなっており、北海道では、業務内容が適さない、安全確保が不安、などの声が寄せられています。

 これについて、東京同友会障害者委員会では、「障害者との接点を持ち、障害種別による特性を理解して自社の業務に組み込むイメージがつかめれば、十分雇用につながりうる位置にある」とし、今後「障害者を戦力とする雇用を具体的に実現するためのスキームづくりをめざして活動していく」としています。

 また、障害者雇用による会社の変化などについては、「障害者への理解が深まった」「社員の気配り思いやりの意識が高まった」「当人の障害に対する具体的な対策をすれば、障害者ではない」「職場体験のチャンスを与えることが本人の自覚や動機によい影響を与える」など、積極的に受けとめる一方、コミュニケーションの難しさや、体調の変化の激しさによる人員の配置の難しさ、保護者の問題などがあげられています。

「中小企業家しんぶん」 2006年 10月 25日号より