仲間づくりの第一人者に【中同協】

役員研修でリーダーとしての使命を学ぶ

 今回は10月5~6日、岩手で行われた「第7回中同協役員研修会」の参加者3名のレポートを紹介します。いずれも学んだ確信を力に、地域に同友会仲間の輪を広げたいという決意があふれています。

会員5万名の力で社会を動かす

(有)和興電気 代表取締役 本堂 均氏(青森)

 同友会の発足に尽力された先輩のエネルギー、そして時代の中でまだ生まれていなかった考え方を広めていく活動、今の会員がそのパワーを結集し、中小企業憲章に取り組むことの重要性を痛感しております。

 同友会が「労使見解」を出した時代とだぶってうつります。「社員と会社」、「中小企業と政府」、社会の移り変わりが同友会に新しい運動を求めていると思いました。過去に手本となる運動がない団体であるために、さらなる勉学が課せられていきます。会社にあっても同じこと。問題にぶつかり、それを乗り越えていくことが経営者の姿だと思います。

 同友会を広めていく意義も考えさせられました。人が集まればその分の力となりえる、そのことが大事なのです。5万人の会員のパワーは相当な力を発揮できると思いました。各同友会の増強運動は重大な意味を持ってくると思います。

 「育った社員が退社し、ほかで活躍してくれるのも社会貢献だ」との鋤柄中同協幹事長の言葉には感動いたしました。「社員を育てたという自負を持ってください」と言われた中に、人間の大きさを感じました。私も心の大きい人間になれるよう、これからも同友会で学んでいきます。

経営指針書は労使の夢の契約書

(株)ヨコヤマコーポレーション 代表取締役 横山 真司氏(秋田)

 経営者のもっとも大切な責任は何か、を改めて考えさせられました。30年前に発表された「労使見解」が、時空を超えて今もなお脈々と受け継がれていることに感動しました。

 「経営者である以上、いかに経営環境が厳しくとも、時代の変化に対応して、経営を維持し、発展させる責任がある」。では、どうすれば発展できるのか、それは社員との信頼関係を築く以外あり得ないことを学びました。ではどうすれば信頼関係が生まれるのか。社員を信じて、任せる以外ないと確信しました。それには理念を基本とした経営指針が必要です。「経営指針書は社長と社員の夢の契約書である」という話は、まさにその通りと実感しています。今年作った経営指針を基に、社長の夢に終わらせないことがわが社の課題です。

 そして、地域から日本再生の旗印を掲げることこそが、同友会に課せられた大きな命題であると思います。

地域を守り仲間を増やす責務

波多野建設(株) 代表取締役 波多野 辰美氏(愛知)

 役員研修に参加させていただき、あらためて同友会の奥深さを実感できました。「人間尊重の経営」、今まで軽く聞き流し、さして重く受けとめていなかったのは、自社だけの繁栄、自分のことのみ中心に考えていたからだと気づかされました。今年初めて経営計画書を作成し、発表会を行ったところまでで自分としては満足していましたが、今回、経営者としての自覚と責任の重さを痛感いたしました。

 また中小企業憲章を考える中から、われわれは地域に生かされ、地域の方々にお世話になり、生業を通して自分自身が生かされている現実を実感できました。その地域を守り、次世代へ継承していくことがわれわれの役割と強く感じました。

 そのためにも仲間を増やすという責務があり、地元に帰り会員に伝え、力を合わせて中小企業家同友会が認知度を上げて、地域を活性化させていかなければならないと思います。まず、自社が努力して実績を出し、その経緯を語り、仲間づくりの第一人者とならなければいけない、それが役員としての使命であります。

「中小企業家しんぶん」 2006年 11月 15日号から