いざ出航! ソーラー和船 環境にやさしい水郷めぐりのビジネスモデル【滋賀】

いざ出航! ソーラー和船

環境にやさしい水郷めぐりのビジネスモデル【滋賀】

 滋賀同友会会員でつくる「(協)HIP(ヒップ)滋賀」(丸毛進理事長・組合員39名)では、11月3日、近江八幡市の島真珠(有)水郷めぐり船のりばで、太陽光発電によるソーラー和船「そーらー秀次(ひでつぐ)丸」の完成披露・試乗会を行いました。

 このソーラー和船は、島真珠(有)会長の大西増夫氏の発案を受けて、滋賀職業能力開発短期大学校の木戸規雄教授が開発。3年前に産学連携して実験船を制作し、その後(協)HIP滋賀に事業化の依頼があり、準備を進めてきたものです。

 事業化には、エンジン船の数倍する製造コストがネックでしたが、経済産業省の2006年度「環境コミュニティ・ビジネスモデル事業」に、「ソーラー技術と屋形船を融合させた“ソーラー和船”のレンタル事業の創出」として採択され、実用実験船の製作とレンタル事業をスタートさせることができました。

 完成披露会で、理事長の丸毛進氏(滋賀同友会副代表理事、(株)シガMEC社長)は、「琵琶湖を世界一美しい湖にしようという思いで、組合と地元行政、水郷めぐり事業者、大学、経済産業省が1つになり今日を迎えました。環境に優しいソーラー発電をエネルギーにし、エンジンの騒音や排ガスがなくなり、鳥のさえずりや自然の奏でる音を楽しめるソーラー和船を全国に広めたい」と経過報告をかねてあいさつ。

 来賓の吉見正司近畿経済産業局環境リサイクル課課長は、「琵琶湖の環境と地域活性化に役立ち、話題性がある全国に先駆けたビジネスモデル」と高い評価。尾賀康裕近江八幡商工会議所会頭は「国の重要文化的景観第1号に選定された水郷にふさわしい事業」と絶賛。蔭山孝夫滋賀同友会代表理事は、「理念経営が生んだ素晴らしい循環型の事業。小さくてもたくさん集まり、力を合わせれば大きな力になることの証明」と、エールを贈りました。

 船名は、約400年前に近江八幡を統治していた豊臣秀吉の甥・秀次にちなんで「そーらー秀次丸」と命名。ソーラーパネルは45Wモジュールを20枚取り付け、最大発電量900ワット。

 試乗会では、静かに滑るように水郷を走るソーラー和船を満喫しました。

 現在は、モニター運航中で、営業運行は来春4月からの予定です。

「中小企業家しんぶん」 2006年 11月 25日号から