会員増強は同友会運動の真骨頂【香川】

「あなたと一緒に地域を良くしたい」(その1)

 7月に中同協第39回定時総会の開催を担当する香川同友会では、4月14日「1600名達成記念祝賀会」を開催、躍進の喜びを分かち合いました(詳しくはこちらをお読みください)。本連載では、目標達成のかなめとなって活躍した3氏からお話を聞きました。2回に分けて紹介します。

(文章は、3氏の話を組み直して構成=編集部)

(お話を聞いた方)
明石光喜氏/香川同友会副代表理事・組織委員会委員長(明石建設(株)社長)
好井豊人氏/香川同友会理事・組織委員会副委員長((有)ヨシイ社長)
藤田誠司氏/香川同友会理事・組織委員会会員増強部会長((有)藤田木工所専務)
(聞き手) 国吉昌晴氏/ 中同協専務幹事

あらゆる行事にゲストを呼ぶ

―1600名の目標を設定した経緯について教えて下さい。理事会ではどんな議論をしましたか。

 昨年期首(第31期)会員数が1362名ですから純増238名、退会を考慮すると年間350名からの入会者を迎えねばなりません。3年前から増強は叫ばれていましたが、各支部(14支部)とも本気になるリーダーがなかなか生まれませんでした。「来年の全国総会を1600名で迎えよう」というのは大きな契機となりました。

 そこで組織改革も行いました。香川は今まで「会員開発委員会」「組織活性化委員会」が増強を行ってきたのですが、これを合併して「組織委員会」とし、その中を「例会づくり」「会員増強」「役員づくり」の3部会としたのです。つまり、ゲストを呼べる魅力ある例会をつくる、役員としての自覚を高め増強の旗振り役になってもらう。部会には全支部から役員を出してもらい、月1回集まり情報交換を行う。昨年のビッグ例会では、宮崎さん(中同協副会長、三重同友会代表理事)を招くなど、全国の優れた経営体験からも学びました。ビッグ例会に限らずあらゆる行事にゲストを呼び込み、入会のきっかけの場を広げました。

「入って良かった」会づくりこそ

―4月14日までに、14支部のうち11支部が支部目標を達成しています。支部内の取り組みで特徴的なことは何ですか。

 「今のままで良いのではないか」と増やすことに消極的な支部長もおります。増強の意義、目的をことあるごとに提示し、論議してきました。「ただ増やせばよい」ではなく「この人に入ってほしい」、同時に「入って良かった」と思ってもらえる会づくりです。

 また、「目標を決めたらやるのが経営者」「目標必達は会社経営と同じ」という論議もしました。「会員増強ニュース」(全県、支部で年間32回発行)を全会員に流し、協力を呼びかけました。

 愛知、兵庫、京都、大阪、広島の資料も取り寄せ、全国の経験からも学びました。『中小企業家しんぶん』シリーズ「2010年5万名会員をめざして」もよく読みました。昨年8月東京で開かれた「2006組織問題全国交流会」に参加し、その時のノートは何度も読み返して使ったものです。

(つづく)

「中小企業家しんぶん」 2007年 5月 5日号から

「あなたと一緒に地域を良くしたい」(その2)

盛り上がった増強デー

―今年に入ってからの毎月の「増強デー」の盛り上がりはすごいですね。

 昨年12月2日、決起大会を1泊で開きました。全支部から50名が参加、それまでの経験を交流し、2月16日、3月16日、4月6日の増強デーを設定、増強祝賀会の会場予約もしたのです。まさに背水の陣、大きく動き始めたのはこのあたりからです。

 全県増強デーには、正午、本部事務所に増強委員を中心に集まり、各支部の状況とその日の目標を発表します。ただちに行動に移り(アポイントの取れている人は目的の企業へ、そうでない人はアポイントを取るために動く)、夜、再度集まり、結果を報告します。高松の本部には毎回50~60名が集まり、遠隔地の人たちはそれぞれの地で行動するのです。支部員の2割に動いてもらうことを目標に、できる限り大勢の協力を得る。そのことが連帯感を生みます。結果として、1日で40~50名の新会員を迎えることができました。その事例、成果の教訓を理事会で発表するのです。

 この1年間を通じて、入会手続きに行動してくれた会員は158名、紹介のみですが、協力下さった会員が61名、合計219名が参加したことになります。

経営に生かせる増強運動

―増強運動の先頭に立って活躍され、今どんな感想をお持ちですか。

 まず、同友会の組織運営と会社経営の共通点を学べたことです。目的を共有するための努力、理解、納得してもらい行動に移す、これはとても教訓的です。

 リーダーとして決めたことは断固としてやり抜く決意を持つこと、そうすれば協力してくれる方は必ず増えていきます。これも会社経営と同じですね。

 増強運動は、同友会運動の真骨頂であることも体得できました。「あなたの入会はあなたの会社を良くすることにとどまらず、地域全体を良くすることなのです」と心から訴えることができるようになったのです。これが同友会運動なのだと感慨深く思いました。

 また、事務局の皆さんによる担当支部への連絡、相互の連携、例会成功への努力、この頑張りがなければ成果に結び付かなかったことを最後にお伝えします。

―心の燃え立つお話をありがとうございました。

【会員増強の目的10カ条】

●同友会理念に共鳴する企業を増やすことはあなたにとって安心できる仲間を増やすことになります。
●新しい会員さん、つまり「師」が増えることは「辞書の1ページが増えること」
●新風が巻き起こり、会が活性化することになります。
●中小企業の社会的地位を引き上げ、政策提言や要望が実現しやすくなります。
●行政や地域社会から頼りにされ、発言力が増します。
●幅広い運動のための財政基盤の確立をします。
●同友会での学びの実績を伝えることで自分自身の成長の検証になります。
●同友会理念の実現をめざす頼もしい企業が増えることになります。
●ネットワークの広がりにより、新しい経済システムの構築になります。
●信頼できるブレーンの増強により、豊かな地域社会の発展につながります。

「中小企業家しんぶん」 2007年 5月 15日号から