各ブロックで「会員増強」をテーマに交流会

企業を変え、地域を変える運動の輪広げて

 中同協「2010年5万名推進本部」の方針に基づいて、昨年からブロックごとに会員増強交流会が行われています。1月26日に行われた九州・沖縄ブロック拡大代表者会議での大阪・堂上代表理事の報告と、2月14日に行われた中国地方会員増強流会での中同協・三宅副会長(香川同友会常任相談役)の報告を紹介します。

会員報告者育成する例会を柱に 自立型企業づくりへ

大阪同友会代表理事  堂上 勝己氏

活動の質

 最近、他県の同友会の方に「大阪同友会はよく学ぶようになりましたねえ」と言われます。確かに10年前と比べると、活動の質は格段に上がりました。

 私が同友会へ入会したのは1988年です。まじめに例会に出席しているうちに、翌年からは役員になりました。しかし当時の大阪同友会は、大勢入会するが、同じくらい退会していくという状況で、例会も人集めできそうな講師を呼ぶ傾向が強く、本当の意味での学ぶ活動は定着していませんでした。それどころか、バブル崩壊後は退会数が上回る年が続き、最高時3600名を超えていた会員数は、2400名にまで落ち込みました。

 こうした事態を打開するために、役員間の議論や準備を経て、「2001年ビジョン」を発表しました。

支部活動の簡素化と学ぶ例会づくり

 支部は例会づくりと会員増強として、その役割を簡素なものにし、同友会の日常活動の柱を例会での学びあいにすえました。

 同友会で学び、自社と自分を成長させてきた会員を例会の報告者に立てるようにしました。報告者の会社を訪問し、会社の実態も見て、経営相談にものりながら打ち合わせを行い、リハーサルします。報告者が代表理事であっても容赦はありません。報告者が話すことと、本来参加者に伝え、学んでもらいたいことにはズレがあります。リハーサルではそこを修正します。

 例会でのグループ討論やまとめも同友会運動がめざす企業づくりの方向から外れていたのでは、運動としての意味が薄れます。グループ長の力量を高めるために研修に力をいれています。単に討論の進行のテクニックを学ぶのではなく、「中小企業における労使関係の見解=労使見解」などを学び、同友会のめざす企業づくりのベクトルを学ぶようにしています。

リーダーが鍛えられる役員研修講座

 役員研修講座は今年度で5期目になりました。この講座の厳しいところは、毎回グループ長を正副代表理事が務め、参加者からは一人ひとりのグループ長についての評価が出ることです。おかげで私たちも大変鍛えられました。正副代表理事が率先してやってきたところに大きな意味があったと思います。研修講座参加者の中には、自社の経営が同友会理念と合致していないことを学び取り、中途退学して翌年復活された方もいます。

「自立型企業づくり」をめざして

 私自身、中同協の赤石会長の「日本中の事業所が1人雇用を増やせば350万人とも言われる失業問題は解決する」との提起を受けて挑戦しています。昨年新卒を1人採用、今年も2人採用します。彼らのために新しい仕事をつくり出すことを、社員も考え始めています。

 自立型企業づくりをめざす同友会活動に転換したことで、会員増強も進み始めています。今年度行った支部例会で、参加したオブザーバーから複数の入会者があった例会のほとんどは、会員が経営体験を報告した例会でした。しかも報告者が自分の所属支部で報告している例が大半です。

地域にとって「会員増強」の意義は

 大阪同友会は、2010年に3509名の会員数にする目標を立てています。しかし、大阪という地域の将来を考えた時の目標を考えていく必要があります。

 5万名達成の持つ意味をそれぞれの同友会でも考えていきましょう。

地域の発展保証する 会員増強の意義を再確認

中同協副会長  三宅 昭二氏

 会員増強の意義は、何度でも、話し合い、確認することが大切です。

 その第1は、同友会の理念に共鳴し、実践する経営者が増えるということは、地域の安定した発展を保障することになるということです。同友会が掲げる良い会社、すなわち経営理念が明確で、労使が高い次元で育ちあい、地域とお客様の信頼を得ることで利益を出し続ける企業、そうした企業が地域に増えることで地域経済は持続的に発展するということです。

 第2に、新会員を迎えることは、私たち会員にとって辞書の1ページが増えることを意味します。新会員の経営体験、新しい企業文化から学ぶことができます。同友会における学びの基本である、お互いの経営体験から学びあうという活動をいっそう豊かにすることになります。

 第3に、会員の数が増えることで社会的発言力が増します。それは中小企業憲章や中小企業振興条例を実現する力となります。

 第4に、組織はその構成員を増やす努力をしなければ、自然減があるということです。ですから、増やすための独自の努力を意識的に行う必要があります。

リーダーが本気になる

 会員増強運動を前進させるカギは、組織のリーダーが本気になることです。会員増強委員会や組織委員会などの役割ももちろん大切ですが、同友会のトップクラスの役員の姿勢が成否を決めます。

 私は常時、入会をすすめるための資料を3部持ち歩いています。以前海外旅行をした時のことです。日本からシンガポールに着くまでの間に、私の両隣にすわった人に入会してもらいました。その後、クアラルンプールに向かう機内でもう1人入会してもらいました。いつも会員増強のツールを持ち歩いていると、そんなこともできます。

 中国地方の同友会としても励ましあいながら、全国2010年5万名をめざして会員増強に取り組みましょう。

「中小企業家しんぶん」 2006年 3月 5日号から