【特集】2007組織問題全国交流会 (分科会)

学べる・増える・強い組織づくりを

分科会より 2010年5万名への決意

 2007組織問題全国交流会の2日目は、同友会の規模別に4つの分科会に分かれ、報告と討論を行いました。各分科会では最後に、全員が会員増強の決意を模造紙に寄せ書き、それを囲んで記念撮影を行いました。分科会の様子を紹介します。

●200名会員をめざす分科会―同友会理念と事務局の役割が大切
●500名会員をめざす分科会―役員が本気になってこそ増強進む
●1000名会員をめざす分科会―嵐のような増強運動の展開を
●2000名、3000名、5000名をめざす分科会―地域の期待にこたえる同友会に

200名会員をめざす分科会

同友会理念と事務局の役割が大切

 第1分科会は会員数200名以下の3同友会から7名が参加、報告者は岩手同友会代表理事水戸谷完爾氏、座長は中同協調査室長鈴木幸明氏が務めました。

 水戸谷氏は、岩手同友会の17年間の歩みを一定の時期に区分し、それぞれの時期の特徴について触れながら、今までの岩手同友会は「牛のごとくゆっくり」とした歩みだったが、3年前に菊田氏が事務局長として落ち着いてからは「牛でも走る」同友会になってきたと、どのように300名同友会を組織したのかを述べました。

 菊田氏が事務局に着任するまでの14年間には、水戸谷氏が事務局担当役員として毎日、自社の朝礼が終わると、同友会事務局に日参し、掃除や電話当番、事務処理などもした経験から、専任事務局員の必要性が分かってきたこと。また、三重同友会の宮崎由至代表理事(中同協副会長)から「事務局に求められる5つの役割」を学んだこと。さらに全国的な会議では200名未満同友会に支給される補助交通費に、何ともいえず悔しさを覚えたことなどにふれました。

 そして、14年間にわたる「波風体験」とその後の発展する岩手同友会から得たものとして、ぶれない同友会理念の大切さと事務局の役割だ、と述べました。

 同席した岩手同友会菊田事務局長が、「最初は役員と徹底して話し合ったこと、その中では理念に外れることは絶対に譲らないことを通した」とし、こうした中で企業が変われば地域の人はそれを必ず評価してくれると、補足意見を述べました。

 グループ討論では、参加者全員が決意を述べ、各地へ戻っての実践への決意を固めあいました。

500名会員をめざす分科会

役員が本気になってこそ増強進む

 第2分科会には、会員数200名以上・500名以下を中心とした12同友会・中同協から18名が参加しました。冒頭、座長を務める滋賀同友会の廣瀬元行・専務理事が「今年度の増強目標をどうやりきるか、具体的に考える分科会にしてほしい」とあいさつ、滋賀同友会の坂田徳一副代表理事・組織活性化委員長が問題提起を行いました。

 坂田氏は、創立3周年で500名を突破、その後の低迷を乗り越え、現在確実に会勢を伸ばしている滋賀同友会の経験を紹介。その教訓として同友会理念をもとにした戦略的組織づくりを進めてきたこと、組織づくりを担う役員育成に力を入れたことなどを挙げました。

 実際に増強を進める際に出される「500名を突破したらどうなるのか」「地域の10パーセントの企業を組織したらどうなるのか」といった具体的な質問にどう答えるか、「同友会は自分たちの会である」という自覚のある主体的な役員をどう育てるかなど、なかなか会勢が伸びなかった時期も踏まえての教訓によって、参加者の展望が広がる報告となりました。

 その後のグループ討論では「毎回の理事会で増強の議論を位置付けるなど、役員が本気になってこそ増強は進む」「どういう同友会をつくり、どういう地域をつくっていくのかのビジョンを持つことが大事では」「1人でも多くの会員に経営指針を作ってもらいたい。そのためにどういう魅力ある例会にしていくか」などが話し合われました。

 最後に、各同友会から1人が代表して決意を述べ、目標達成への決意を固めあう分科会となりました。

1000名会員をめざす分科会

嵐のような増強運動の展開を

 第3分科会は「会員数千名をめざす同友会」の集まりで、15同友会から28名が参加しました。報告者は沖縄同友会代表理事の糸数久美子氏、座長は中同協専務幹事の国吉昌晴氏が担当しました。

 糸数氏は、1987年同友会創立以来「地域に根ざし沖縄一の経営者団体になる」ことを目標に、組織率10%、1000名会員をめざしてきたこと、失業率の高い沖縄にあっては、雇用に責任のもてる企業になるために経営指針作成活動に熱心に取り組んできたことを紹介。2001年県の産業支援センター入居により他団体との連携も進み、「一番元気が良くて、しっかり勉強している」と評価され、金融アセス運動の成果である金融機関との業務提携、中小企業振興基本条例制定に県が積極的になってきたのも活動の中身が総合的に認識されてきたことと、1000名会員の重みの結果であると述べました。

 討論では、「増強を持続している支部は退会者が少ない。例会内容をしっかりさせること。支部長の責任は大きい」「女性部会を活発化し、女性経営者の入会促進をはかりたい」「代表理事には増強目標達成の責任があることがよくわかった。嵐のような増強運動を展開したい」「中小企業が疲弊していくと地域はどうなるのか。組織率を高めることも目標にすえたい」との議論が意気高く続けられました。

 最後に、今年新代表理事となった神奈川、長野、岐阜、奈良の4氏から決意が述べられ閉会しました。

2000名、3000名、5000名会員をめざす分科会

地域の期待にこたえる同友会に

 第4分科会は会員数千名以上の14同友会から47名が参加、報告者は大阪同友会副代表理事の宮井賢次氏、座長は大阪同友会理事の小林克己氏が務めました。

 宮井氏は、大阪同友会が18支部を5つのブロックに分けて活動してきた意義に触れ、支部の活動を例会と会員増強にしぼるため、ブロックで経営指針づくりや社員教育の活動を行ってきたこと、小さい支部がブロック内の他支部行事への参加がしやすくなったり、逆に小支部の例会にブロック内から援助しやすくなったことなどをあげました。

 また昨年度の会員増強が足踏みした原因として、第1に毎年やってきたので安心してしまい、会員増強の意義など学び、確認する場を年度初めに持たなかったこと、第2に、支部長や会員増強担当などの役員が交代することで、それまでの増強についての考え方が受け継がれなかったことなどがあるとしました。

 最後に宮井氏は、学びの輪を地道に広げていくというこれまでの運動の上に立って、同友会運動のめざすものや考え方が時代の中心になってきている今、外向きの活動を強化し、期待にこたえる必要がある、大阪同友会は対企業組織率10%、1万名会員をめざしたい、それだけの必要性と可能性がある、と述べました。

 グループ討論のあと、各同友会から1人が代表して決意を述べ、広浜泰久・中同協幹事長は「2010年5万名はやれるという確信が自分の中でも広がり、ワクワクしてきました」と高揚した気持ちを語りました。

「中小企業家しんぶん」 2007年 9月 15日号から