【酒蔵5】おいしいお酒を届けたい 所酒造(資)(岐阜)

おいしいお酒を届けたい
若手社員による酒造り
所酒造(資)(岐阜)

清流・揖斐川の 伏流水を仕込み

 本州中部の内陸部にある岐阜県。その県庁所在地である岐阜市から、車で北西に40分ほど走った所、伊勢湾に注ぐ大河揖斐川と、水質のよさで知られる粕川の合流地点に揖斐川町があります。

 所酒造(資)(所啓社長、岐阜同友会会員)は、その清流・揖斐川の伏流水を仕込み水とした酒造りが特徴です。

常にしぼりたての酒を提供

 同社は「三季醸造」というスタイルで酒を仕込んでいます。

 酒は冬に仕込むことが通常ですが、発酵タンクの温度を一定に保つ設備により、冬場と同じ温度管理で秋と春にも醸造ができるというもの。そのため、新米を使い9月下旬から翌年の5月下旬の期間、何度かに分けての醸造が可能です。小規模の酒蔵で、このような設備をしている会社は少ないのですが、常にお客様にしぼりたての酒を提供することが可能となりました。

杜氏に頼らない 酒造り

 このような「三季醸造」を採用するきっかけとなったのは、1991年ごろ。それまでは、新潟から杜氏を招いて酒造りをしていましたが、高齢化が進み杜氏の確保が難しくなりつつあり、所社長は、杜氏を招かなくても社内で酒造りができる体制づくりを決断します。

 当時、「杜氏がいなくては良い酒はできない」という声も一部にありましたが、社員と共に酒造りを学び、設備投資を行い、現在の体制にしました。現在では、後継者の所優氏が中心となり、酒造りをしています。

「もう1度飲みたい」と思える酒造りを

 「おいしい。もう1度飲みたい」と思える酒造りを基本に、創業何年ということや賞にはこだわらず、おいしい酒をお客様に届けていくのが同社の目標です。同社を代表する酒として、名水の郷「揖斐」を商標にした「揖斐の蔵 しぼりたて」は、「三季醸造」で5回にわけて醸造販売しています。

 同社のホームページでは、「揖斐川町・・・この町は春はわらび、ぜんまい 夏は鮎、秋は山いも 冬は酒蔵のしぼりたてと私たちを楽しませてくれます。当酒蔵の『しぼりたて』は淡い白濁で酵母が生きてるため香りと味に特徴があります。酒蔵の親爺しか呑めない、しぼりたてをびん詰めしました。」と紹介され、現在、第1号・第2号は販売終了。第3号・第4号が発売中となっています。清流・揖斐川の伏流水を仕込み水に使った、しぼりたての酒は絶品です。注文は、電話またはメールで蔵元へご連絡ください。

【会社概要】
年商
 8000万円
社員数 4名
業種 清酒製造
所在地 揖斐郡揖斐川町三輪537-1
TEL 0585-22-0002
URL http://www.ibi.or.jp/~bojimaya/

「中小企業家しんぶん」 2005年 5月 15日号より