第12回女性経営者全国交流会・学びのポイント(1)

第1分科会

「生命(いのち)を育(はぐく)む女性の愛(パワー)で 地域とともに 社員とともに」をメインテーマに「第12回女性経営者全国交流会が6月7~8日、東京・椿山荘で開かれます。その学びのポイントを紹介します。

人との出会いが世界への道
(有)オフィス長谷裕代 社長 長谷 裕代さん(大阪)

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44歳で保険の仕事を始め、世界一のトップセールスウーマンに。その後独立し、経営者の道へ。「一生懸命と本気とは違う」と気づいた貧しかった日々は、2度の挫折や人との出会いを経て「売らない営業」へ、そしてお世話になった人たちへの「感謝とお返しの人生」へと変化。自分だけの満足は本当の満足ではない。「誠意と熱意と技術の掛け算」で、今もなお道を切り開き続ける。
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 「全国女性部交流会」から「女性経営者全国交流会」へと名称が変わる原動力になった2003年開催の交流会(大阪)で実行委員長を務めた長谷裕代さんが、自身の仕事と同友会での学びについて報告します。

 長谷さんは20年前、当時では珍しかった外資系の保険会社に営業ウーマンとして入社。未経験の仕事でいろんな挫折を経験しながらも、常に素直に前向きに取り組むことで保険業界世界No.1のトップセールスウーマンの座につきました。

 その間、女性部でも同友会理念についての学びを深めるとともに、共育委員会を立ち上げ、自身も60歳を期に独立起業。経営指針を作成するとともに、後継者育成に取り組む姿勢は、未来をひらく女性経営者の鏡とも言える存在です。

設立 2001年
資本金 300万円
社員数 3名
年商 8000万円
生命保険・損害保険業、ファイナンシャルプランニング業

第2分科会

経営指針はスーパーマン
(株)勝矢和裁 社長 勝矢 珠容子さん(広島)

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技能オリンピックの金メダリストを育て、高い技術力で取引先の信用もあり、経営課題は人の採用だと考えていた98年、共同求人活動を目的に同友会入会。運よくすぐに採用につながった。しかし、スーパーマンの社長(夫)は数年前に急逝しており、間もなく経営は危機的状況に。それを打開したのが経営指針だった。「学校」から「企業」に変革し、教育を整備し、社員さんに「この会社に入って良かった」と誇りのもてる会社づくりに取り組んでいる。03年、優良事業所として厚生労働大臣表彰(技能振興)を授章。06年10月には、業界初のISO9001を取得。
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 勝矢和裁の平均年齢は26歳、職場は活気にあふれています。今年も新入社員さんが9名も入りました。古いと思われる業界にどうしてこんなに若い人が目を向けるのでしょうか。

 勝矢和裁の経営理念は、「私たちは自らの技能に誇りを持ち、お客様の安心と信頼にお応えします」。社員全員でつくったこの理念を徹底して実践しているのです。

 仕事は、日本の民族衣装である着物を縫うこと。仕事をしながら技術を学び、3年後の独立を目標にしています。「プロ和裁士」をめざし、そして一人ひとりの自立を求めて、厳しくも温かい育ち合いが続いています。

設立 1982年
資本金 1000万円
社員数 45名
年商 3億3000万円
プロ和裁士育成・自立業

第3分科会

企業を変えよう!笑顔とコミュニケーションで
(株)ヒューマンシステム 社長 湯野川 恵美さん(東京)

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経営理念の落とし込みってどうしたらいいのだろう?
順調な成長を遂げて来たヒューマンシステムは10億の売上目標を12期目に達成。しかし、大きなプロジェクトの失敗により「顧客の満足と社員のしあわせを両立する。」その難しさに直面する。そんな悩みを社員と共にMOT(技術経営大学院)で学ぶことでどのように解決したか。
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 「お客様に喜んで頂くことが社員の幸せに繋(つな)がる」と考える(株)ヒューマンシステムが、どのようにして踊り場を抜け出すことができたのか。社長が、たくさんの時間をかけて学ぶことで、会社と社員にどのような影響を与えたのか。社員とともにMOT(技術経営大学院)で学び、成長の機会を得るための戦略を明らかにする過程で、たくさんのMOTの恩師とクラスメートにめぐり合い、本当の自分と会社、そして自分たちの強みを知ることができました。

 学ぶこと、育てること、育つこと。同友会の共育ちの実践を通して、「経営はアートである」。この言葉の重みを一緒に実感して頂ければ幸いです。

設立 1992年
資本金 2500万円
社員数 12名
年商 10億円
ITサービスプロバイダー

「中小企業家しんぶん」 2007年 4月 15日号より