特殊支配同族会社課税問題 対象企業の見直しは実現

 2006年12月発表の与党「平成19年度税制改正大綱」によれば、特殊支配同族会社の役員給与の給与所得控除相当部分の損金不算入措置に関して、適用除外要件である基準所得(課税所得+業務主宰役員給与)を800万円以下から2倍の1600万円以下に引き上げる見直しが行われ、法改正が実現する見通しとなりました。これにより、課税対象企業は一定割合減ることが予測されます。

 12月25日に行われた中同協税制プロジェクト会議では、「税制改正大綱」を分析し、基準所得を800万円から1600万円に引き上げたことは、廃止ないし導入中止等を求めてきた同友会をはじめとした諸団体の運動の反映であり、1つの改善として評価できるとしました。しかし、対象企業は狭められるものの、特殊支配同族会社課税の基本は変わらず、税制プロジェクトとして中同協政策委員会に対して、引き続き廃止を要望することの意見具申を申し合わせました。

 この問題に関しては昨年来、同友会や東京税理士会などが重大問題と警鐘を鳴らしてきましたが、徐々に他の団体にも反対・見直しの動きが広がりました。

 たとえば、東京商工会議所が7月に「特殊支配同族会社の役員給与の損金算入制限措置に関する要望」を決議。その後も、全国法人会総連合が、この問題で「廃止を含めた抜本的見直し」を求めました。

 税制プロジェクトでは、このような諸団体の働きかけが、導入1年にして、早くも基準所得を手直しせざるを得ない状況を生み出したことに確信を持ち、2007年の焦点である税制問題で機敏な提起をしていくことを話し合いました。

「中小企業家しんぶん」 2007年 1月 15日号から