違いを認め尊重する人育ての本質を学ぶ~大田堯氏(東京大学名誉教授)が記念講演【秋田同友会が第3回定時総会】

 秋田同友会の第3回定時総会が5月17日、秋田市内で開かれ、来賓を含め75名が参加しました。今年度の活動方針と新役員選出など総会議事に続いて、大田堯東京大学名誉教授が記念講演「『共育』とはどういうことか~企業・学校・社会のすべてに共通する人育ての本質を学ぶ」を行いました。

 総会では、今年度の活動方針として、社員教育、共同求人活動、各大学・研究機関との連携などを視野に入れた新しい活動分野に挑戦すること、経営指針創(づく)りの活動を強化すること、そして会の中期ビジョンの確立を承認。会員増強では、300社を展望しつつ、今年度は170社会員の達成をめざすことを確認しました。役員体制は、佐々木克巳代表理事(再任)はじめ、総勢21名の理事を選出。

 記念講演では、大田堯氏が、「人間は、生まれながら、一人ひとりが違う。自ら内発的に学んで自分流に変わる力があり、かかわり合いの中で、自分を形成していくもの。教育の本質は、強制ではなく、自ら学んで自分流に変わってゆくのを助けていくこと。同友会の『共に育つ』という精神も、こうした考えに基づいており、経営指針の中にぜひ、違いを認め尊重しあう『基本的人権』の問題を取り上げてほしい。このことが経営を考える場合でも根本的な物差しであり社会的意味を持つ」と力強く語りかけました。続いて、グループ討論も行われ、講演に感銘したゲスト出席者が、勉強の場を求めて即入会するなど、出席者の心を大きく揺さぶるものとなりました。

 記念講演には、秋田県教育庁や地元高校の校長らも初めて参加し、教育関係者に同友会の存在を認識してもらう場ともなりました。

 懇親会では、県北部の会員全員が出席し、新理事と共に会員増強に取りくむ決意表明をするなど、支部作りへの新しい動きが見られるなど、秋田同友会の明日への飛躍を感じる総会となりました。

「中小企業家しんぶん」 2007年 5月 25日号から