経営談義に花が咲き入会へ~全国に学び、役員とくり返し話し合い、認識を一致【山梨】

「300社になったら、ぜひタイアップを」(地元信金)

 昨年、創立10年を迎えた山梨同友会では、昨年には初めて「増強デー」にも取り組み、1月に念願の会員数200名を達成しました。「来年度末には300名に手が届きそう」と語る中村猛志・山梨同友会代表理事に、その取り組みと思いを紹介してもらいました。

 私は、2001年までスリーピングメンバーでした。ところが、よんどころない事情で、理事も経験したことのない私が代表理事を務めざるを得なくなりました。

 会員数は50名前後、何を学べばいいのかもわからず、まったくの手探り状態でした。同友会は経営指針づくりの運動を大事にしていることはわかりましたので、隣の長野同友会へ行って学んだり、山梨の役員会でいつもその大切さを強調していました。

 全国行事や東日本地区代表者会議などにも参加はしていましたが、会員数の少なさに肩身の狭い思いをしていました。同じくらいの規模の茨城や栃木の人たちとは仲良くなれましたけど。同規模の同友会同士で競い合うことは、励ましにもなるし、いいことだと思います。

 会員数がこのままでいいのかという疑問をずっと持ち続けていました。会員増強にあまり積極的ではない意見もありましたが、中同協の会議に出席して帰ってくるたびに、3日以内くらいに役員会をもって、増やすことの意義などを確認してきました。繰り返し話し合うことで、役員の間では会員増強について認識が一致していきました。

 同友会を知らせるために、マスコミを利用し、大きな例会は必ず報道してもらうようにしました。他の同友会で金融機関と連携しての動きが広がっているのを見て、地元の信用金庫に話をもちかけたところ、「300社になったらぜひタイアップしましょう」との返事をもらいました。

 私は会員増強で訪問した時には、必ず相手の経営課題を聞きだすようにしています。

 「社員は不満を持っていませんか」「どうしたら経営が発展すると思いますか」「客観的に自社を見たことがありますか」「経営に対する思いをまとめたことはありますか」。こうした問いかけから経営談義に花が咲き、入会につながります。

 同友会の役員の中には、相手先へ行って自分の経営のことを話す自信がないという人もいますが、そういう人には、だからこそ学んで自信を持てる会社をつくろうと話しています。

 会員増強について役員会で話し合う時に、私は「中小企業家しんぶん」の連載記事「2010年5万名会員をめざして」(本連載)の読みあわせをするようにしてきました。これはとても役に立ちました。

 昨年10月に初めて2日間の会員増強デーに取り組み、16名が入会。信用金庫から専務を招いての12月例会は地元紙でも報道され、ここから一気に増強が進みました。

 当初3月末までに200名をという目標が、1月23日までにと切り替わりました。2月には1泊研修で盛り上がり、次の目標に向かって燃えています。うまくいけば、来年度末には300名に手が届きそうです。

山梨同友会代表理事 中村 猛志

「中小企業家しんぶん」 2008年 3月 25日号より