先輩社員の言葉 協力し、考える社会人に (株)きかんし 前田裕子さん(東京)

 皆さま、入社おめでとうございます。

 社会人の仕事は「生産」です。より良いモノやサービスを作るためには、自分でやるべきことを見つけるのが必要となります。しかし、それだけで良いわけではありません。

 基礎を知らずにオリジナリティを発揮しすぎると、全く違う方向に行く恐れがあります。張り切って全部自分でやろうとすれば、手が回らなくなるかもしれません。

 ですから、偏らずにバランスを見極めてください。他人任せにはしないけれども、周りと協力する。基本を完璧(かんぺき)にしてから、次の段階へ進む。自分ができる範囲のことをやり、次第にできる範囲を増やしていくよう努めてみてください。

 また、世の中にはたくさんの常識があります。ルールのようなものなので大体が理にかなっていますが、理不尽だけれど慣習や惰性で続いているものも存在します。

 常識が正しいとは限りません。常識で他人《ひと》や自分を縛らないでください。常識は「上」にあるのではありません。従った人たちの間に存在しているだけです。

 本当にその「常識」に従うべきなのか、違和感を覚えたら考えてみてください。

 ご拝聴ありがとうございました。皆さまのこれからの活躍に期待しております。

「中小企業家しんぶん」 2008年 4月 15日号より