先達の熱い息吹に触れて【北海道・釧路支部】

 北海道同友会釧路支部(亀岡孝支部長、460社)の同友会アカデミーの会員は、毎月1回『中同協30年史』、『企業環境研究年報』、『幸せの見える社会づくり』などの同友会の「古典」を手に携えて事務局に集まります。アカデミーに講師はいません。参加者は丹念に文献を輪読して、行間から立ち上る同友会の精神に触れています。

 同友会アカデミーは3年前に誕生しました。森川浩一企画委員長は次のように語っています。

 「読書の定石は古典を読むことだと思う。日本文学なら漱石、哲学ならプラトンなど掘り進まなければならない鉱脈が必ずある。同友会も同じではないか。『労使見解』など同友会の古典に触れると1957年に同友会を誕生させた先輩会員の熱い息吹に触れることができる。経営手法の流行に右往左往するのではなく、じっくり腰を据えて愚直に古典に向き合うことが今こそ大切だ」。

 「最も影響を受けた文献は赤石中同協前会長の『幸せの見える社会づくり』」と森川氏。「明治維新以降、近代日本は戦争への道を突き進んだ。戦争を通して大企業は育ったが、市民と中小企業は辛酸を舐(な)めてきた。15年戦争が終わった時に中小企業は開放されたが、まもなく国家による中小企業統制が始まる。それに異議を唱えて果敢に立ち上がったのが同友会の先輩たちだ。赤石氏の著作は壮大な同友会運動を見事に俯瞰(ふかん)している。会員であることが誇りに思える」と語っています。

 同友会アカデミーは、6月から再び『中同協30年史』の輪読を始めました。

「中小企業家しんぶん」 2008年 6月 15日号より