久慈・洋野支部(岩手)

本音で真剣に企業家精神学べる場を

 岩手同友会5番目の支部久慈・洋野支部が5月21日、30名の会員で誕生しました。当日は県内各地から65名が参加。青森同友会からも応援に駆けつけ、会場は熱気で包まれました。

 支部長に選出された久慈琥珀(こはく)(株)社長の向正彰氏は、「たとえ青臭くてもいい。世代を超えて真剣に企業家精神を学べる、熱く語れる場にしたい。このまま黙っていたら地域がなくなる。救えるのは私たちしかない。地域になくてはならない同友会にしよう」とあいさつ。期待感一杯のスタートとなりました。

 久慈・洋野支部は岩手県の沿岸最北部に位置する洋野町と、琥珀の産地として注目される久慈市を中心とした、青森との県境に位置した地域です。県都盛岡からは山間部をはさみ、車で2時間半ほどの距離があります。近年沿岸部から都市圏に人が流れ出る中で、地元に残り事業を継ぐことを決意した2、三十代の後継者が地域の将来に不安感を持っており、その思いにどうこたえるかが緊急課題でした。

 準備会が始まった4カ月前から、商工会や行政にも声をかけ「組織や世代の枠をこえて経営者が本音で語り経営を学ぶ場をつくろう」と呼びかけてきました。その結果、洋野町では商工会青年部からの参加が相次いでいます。グループ討論が楽しみで参加する二十代の後継者は「自分の思いを本気で聞いてもらえる場は貴重。期待されていることがわかり気持ちが高まる。人に頼るのではなく自分たちでつくる」と目を輝かせて話します。

 これで岩手県沿岸が1つにつながり、沿岸ラインができあがりました。「沿岸地域から岩手を元気にする」、その準備は整いました。

「中小企業家しんぶん」 2008年 6月 25日号より