生き残りかけた企業づくりを支援~情報発信強化、経営相談室設置、価格決定権持つ商品開発【新潟】

過去最悪の景況見通しの中で

新春賀詞交歓会

 新潟でも、大幅に景況感が悪化しています。昨年12月3日に実施した景況調査では、景況の大幅悪化で戦略の抜本的再編が迫られる状況が浮き彫りとなりました。2009年に入ってからも過去最悪の見通しとなっています。

 製造業では3~4割減はまだいいほうで、操業自体が、週1日か2日というところ、週休4~5日、2月は20連休以上だった工場も会員の取引先にあったなど、仕事が少ないというより、全くない状態が続いています。受注の見通し、引き合いも昨年の9月を境にかなり減少してきており、その見積もり、引き合いも2010年とか2011年という仕事もありました。

 その中でも景況調査では、好転した企業 26・2%、悪化した企業 60・0%となっており、好転した企業は 売上を伸ばしつつ、固定費を低下させて、悪化した企業は 売上が下がるにもかかわらず材料費・仕入れが上昇していることがわかりました。

 黒字は65・2%、収支トントンをあわせると75・8%で、悪化の中でも堅実な経営を実践していることもわかりました。景況の悪化もありますが、困ったことを解決するサービス、大企業の商品・製品・サービスのメンテナンス、納期とスピードと生産性、素原材料・エネルギー・水・自然を扱う仕事などの必要とされる会社は、多少の影響があるものの、自助努力、営業努力でなんとか維持し発展しています。

価格決定権持つ商品開発を

「愛のメダル」

 新潟同友会では、大幅な景況悪化への懸念、とりわけ経営の見通しが立たない状況への組織的な対応として、第1に情報発信を強化しました。短期的なキャッシュフローの準備、貸し渋り・貸し剥がしへの対応、制度融資等の利用を呼びかけ、世界情勢、金融情勢(経営環境)に関係なく維持・発展する企業づくりを10月の段階で発信しています。

 第2に、個別の会員企業の企業づくりへの支援としての「1からスタート」ということで、11月1日のイチ並びの日から経営相談室を設置しました。内容は経営改善、経営戦略、事業承継、債権回収、経営の抜本的な改革など広範囲に及んでいます。金融機関に提出する資料作成へのアドバイスなどもありました。

 第3に、価格決定権を持つための商品開発の取り組みです。三条支部では、昨年より、「価格決定権のある商品の開発」をということで、直江兼続の「愛」の前立と同友会のマークのコラボレーションしたメダルを製作しました。

 経営相談の内容でも、景況を反映して、来月の資金繰りやキャッシュフローの見通しが立たないなどの緊急かつ重大な相談も数件あり、相談件数は10件以上となっています。今後も生き残りをかけた企業づくりを支援していきたいと考えています。

「中小企業家しんぶん」 2009年 3月 15日号より