【総選挙にあたって】社員と共に総選挙の意義を考えよう~鋤柄・中同協会長が談話を発表

未曾有の不況下日本の方向性は~中小企業家は高い関心を

 衆議院議員選挙が8月18日公示され、30日投票となります。今回の総選挙は「政権交代の可能性のある選挙」と言われており、中小企業にとっても関心の高い選挙であることから、鋤柄修・中同協会長が談話を発表しました。

各政党のマニフェストに関心を持つ

 国会解散、総選挙は再三取りざたされながらも、ついに任期ぎりぎりまで延ばされ、8月30日投票となりました。今回の総選挙は、「政権交代の可能性のある選挙」といわれており、日本の今後の方向を決める大事な機会です。特に、昨年来未曾有の不況下にある中小企業にとっては、大いに関心を持たざるを得ません。

 同友会は、「3つの目的」の3番目に「中小企業をとりまく社会・経済・政治的な環境を改善」することを掲げており、経営環境改善に努力することは中小企業家の社会的責務の1つとしています。ただし、会員の皆さんはご承知の通り、会としては特定の政党、政派、政治家個人に対する支持、不支持の意思表示はしないことを原則としています。

 中同協は、毎年6月初めに「国の政策に対する中小企業家の重点要望・提言」を発表、全政党の担当者と懇談、国会議員全員及び関係省庁へ要望書を提出しています。

 私たちは、中同協の政策要望にもとづき、各政党のマニフェスト(政権公約)の中身を注目しています。会員の皆さんも各党のマニフェストを読み取る努力をお願いします。

社内で学びあい主権在民の権利行使を

 私が、もう1つ皆さんに提案したいことは、社員と共に今回の総選挙の意義を考える機会を設けていただきたいことです。

 日本の政治、経済のあり方を考え、生活者の視点から日本の未来を考えることは社員教育の一環でもあると思います。今年の全国総会で、私たちは長年の課題である「中小企業憲章草案」(第1次案、会内討議資料)を発表しました。これを社内で読み合わせ、中小企業の社会的役割と責任の重さを自社の経営理念と重ねて考えることも良いでしょう。

 政治をひとごとのように考え、政治的無関心層が若い人の間に広がることは、日本の将来を危うくするものです。社員の皆さんと情勢に対する認識を深め、憲法にうたわれている主権在民の権利行使を伝え、自らの頭で考え判断し、「投票に行く」ことを奨励していただきたい。

 同時に私たちは、総選挙後の政治動向にも関心を払い、私たち中小企業家の願いがどう実現していくのか、その検証もきちんと進めていくことが必要でしょう。

「中小企業家しんぶん」 2009年 8月 15日号より