環境をキーワードに地域づくり「同友エコ岩手・キックオフシンポジウム」開催【岩手】

 8月22日、岩手同友会では「同友エコ岩手・キックオフシンポジウム」を盛岡市内で開きました。岩手県、INS・岩手ネットワークシステムCSR/環境人材育成研究会と共同開催したもので、産学官民で共に取り組む地域エコプロジェクトとして行いました。

 当日は岩手大学のISO14001取得に挑戦している環境マネジメント学生委員会のメンバー、各企業の幹部社員、県や盛岡市の職員や、岩手大学の藤井克己学長も飛び入りで参加するなど、地域挙げてのスタートとなりました。

 冒頭、岩手同友会の伊瀬幸郎地球環境部会長が、「今日は産学官民一人ひとりが主体者となり、疲弊した地域を元気にする、決意を新たにするキックオフです。知恵を絞り汗を流し、地球環境問題という大きな課題に挑んでいく、そんなスタートにしましょう」とあいさつ。

 報告では、愛知からこの日のためにかけつけた、平沼辰雄・中同協地球環境委員長が、次のように話し、岩手の今後進むべき展望への期待を語りました。。

 「岩手には先進事例、葛巻町がある。葛巻では人間が生きる基本である食べること、クリーンエネルギー、そして循環型地域づくりに向け、町全体が意識を持って取り組んでいる。

 自らの力で立ち、われわれでもできるんだという姿を見せる。中小企業立国実現のためにも、われわれが地域をつくりながら国をつくっていくことを本気で見せていくことが必要です。その発信ができるのが岩手、そして都市と農山村の新たな関係をつくることができるのが、この地。食糧生産に関して、2030年ころには北東北、北海道が日本の中心になると私は本気で思っています」

 つづいて、「環境をキーワードに地域で新しい仕事と雇用をつくる」と題し、5社が事例報告。「省エネと経費節減で新しい仕事づくり」「社員の提案型エコドライブでCO2大幅削減」など、実際に社員が取り組み始めた事例が報告されました。

 参加した社員からは「岩手のためにと決意して戻ってきたときのことを思い出した。自社でできることを声に出し叫び続け、成果を出し続けていきたい」など、持続可能な地域づくりへ向け、参加者それぞれの心に灯がともったキックオフシンポジウムとなりました。

「中小企業家しんぶん」 2009年 9月 5日号より