「人を生かす経営」で激変する環境を乗り越えよう【埼玉】

呉講師

 埼玉同友会は11月19日、近代日本経済の父といわれる渋沢栄一を生みだした深谷市で2014全県経営研究集会を開催しました。テーマは「『人を生かす経営』で激変する環境を乗り越えよう~めざそう!中小企業が主役の時代を~」。埼玉同友会は地区会が持ち回りで設営を担当し、今回は北部地区会とさくら地区会が担当し地元深谷での開催となりました。渋沢栄一ゆかりの地を訪ねる特別ツアーを設けるなど地域色豊かな研究集会となりました。

 全体会では、久賀きよ江・代表理事が「外形標準課税適用拡大の反対署名が目標を上回り2万筆を超えました。中小企業の声を訴えていきましょう」とあいさつ。来賓として大熊章・関東経済産業局産業部担当次長、石川佳孝・(株)日本政策金融公庫さいたま支店長兼中小企業事業統轄があいさつしました。

 基調講演では呉学殊(オウハクスウ)独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員が「『労使コミュニケーション』で人を生かす経営を~実践のために不可欠な5つの要件とは~」をテーマに報告しました。呉氏は労使コミュニケーションの研究を専門とし、特に「労使見解」に基づく同友会会員企業の実践に注目しています。呉氏は人を生かす経営に必要な労使コミュニケーションの基本要件として(1)社長の決断(2)経営情報の完全公開(3)権限委譲(4)相互尊重(5)相互信頼の5点を挙げ、社員との信頼関係を基にした社員目線による「経営者の半労働者化」、経営情報を読み取り現場から経営に意見する「労働者の半経営者化」が強靭な企業経営体質を構築すると報告しました。その後7つの分科会に分かれ、テーマ別のグループ討論を行いました。

 懇親会では、上田清司・埼玉県知事、小島進・深谷市長が来賓を代表してあいさつを行い、中小企業への期待を語りました。埼玉県のマスコット「コバトン」や深谷市「ふっかちゃん」、本庄市「はにぽん」が登場する場面もあり、和やかに懇親を深めました。

「中小企業家しんぶん」 2014年 12月 15日号より