エネルギーシフトの事例をつくりだしていこう~中同協地球環境委員会開催

中同協地球環境委員会

 6月2~3日、福島にて中同協地球環境委員会が開催され、7同友会および中同協から17名が参加しました。

 1日目は岳温泉(有)ホテル光雲閣を会場に、大内正孝・(有)ホテル光雲閣代表取締役社長(福島同友会会員)が「あるものを生かして環境にやさしい旅館に」をテーマに報告しました。

 大内氏は川水を利用しての冷房や温泉排水を熱交換機やヒートポンプなどの設備を活用してさまざまな場所で利用、大型外壁窓にプラスチック・ポリカーボネートで作った二重窓を施行し建物の断熱効果をあげるなど自社で行っている環境経営の実践事例を紹介。大内氏は「全国の旅館の平均と比較しても売り上げに対する水道光熱費の割合は低く、削減できた費用は人件費に当てています。サービス業は社員の個性を引き出す社員教育が何より重要」と環境経営における社員の協力の重要性について報告しました。

 大内氏の報告終了後、ホテル内を見学し実際の施設を見ながら質疑応答を行いました。その後、参加者で各同友会の委員会での活動内容や同友エコの推進状況を話しあいました。

 2日目は会場を國分農場(有)に移し、國分俊作・國分農場(有)代表取締役(福島同友会会員)の報告と農場の見学を行いました。

 國分農場(有)では地域の食品残渣(ざんさ)を回収し、自社で加工して飼育している牛の飼料として活用しています。また、牛の糞尿も自社で堆肥にし販売。國分農場(有)の新しい事業であるケナフの栽培に生かしています。ケナフを栽培し、セルロースナノファイバーに加工するという農作物から工業品を製造する前例のない事業に取り組んでいます。

 平沼辰雄・中同協地球環境委員長は「企業では経営指針に地球環境を位置づけ、地域では中小企業振興基本条例にエネルギーシフトを位置づけるよう呼びかけてほしい。見学した2社のようなエネルギーシフトの事例を1つひとつつくりだしていきましょう」とまとめ、閉会しました。

「中小企業家しんぶん」 2016年 7月 5日号より