同友エコ大賞受賞企業 空き家問題をビジネスチャンスに サステン建築(株) 代表取締役 友田 國彦氏(静岡)

環境経営で企業革新を

中同協では、同友エコ2019として、全国に「環境経営・エネルギーシフト・SDGs」に関するアンケートを実施。638社からのエントリーがあり、29社が同友エコ大賞などを受賞しました。大賞受賞企業の実践を紹介します。

県庁所在地の静岡市にあるサステン建築(株)は、1985年に代表取締役の友田國彦氏が創業。新築・リフォーム・不動産の住環境に関する3本の柱で「お客様の住まいづくりのお手伝い」をめざしてきました。同社ではここ数年「空き家のリノベーション」を展開しています。

ゼロエネルギー住宅や太陽光発電パネルの設置など、再生可能エネルギーの活用や環境に配慮した新築物件の提案を行う企業は多いですが、「空き家」に関しては、依然としてスクラップ・アンド・ビルドを行い新築を提案する企業が多いのが現状です。「空き家の改修はほかの建築会社が積極的に取り組まない部分でもある。弊社の技術と経験を生かし、残していく部分と変えていく部分を見極め、お客様に満足いただける快適な空間を新築よりも手頃な価格で提供することで、他社との差別化につながる」と友田氏は話します。昨今はファミリー層だけでなく、単身や女性、外国人など持ち家を求める層が広がっています。空き家のリノベーションは、新築購入よりも手が届きやすい価格帯で提供することができ、今後さらなる需要が期待されます。写真は、既存の窓枠を生かしながらキッチンを改修したものです。そのほか、時代の変化に対応した耐震工事なども加え、顧客が長く安心して暮らせる住まいづくりをしています。

「リノベーションによってよみがえった住宅がお客様の手に渡ることで、自宅を手放すことになった売り主の皆様が喜んでくれることが何よりもうれしい」。空き家問題は日本各地に広がり、地域の景観や環境にも悪影響を及ぼしています。そして「家から人が消え、締め切ったままの空き家は、空気の循環ができないとすぐに駄目になってしまう。リノベーション事業を通じて、地域環境を損ねることなく、新たな人が住まう地域をつくるお手伝いを今後もしていきたい」と力強く語ります。

「中小企業家しんぶん」 2020年 1月 25日号より