【全国支部長インタビュー】第7回 会員辞書のページ数が、支部を盛り立てる原動力となる 京都同友会・伏見支部 上野雄一郎支部長((株)花駒 代表取締役)

 全国の支部・地区を紹介する連載企画「全国支部長インタビュー」。第7回目となる今回は、京都同友会伏見支部(上野雄一郎支部長)の取り組みを紹介します。

支部の紹介

 伏見支部は京都市伏見区を中心とし、現在164名が所属。京都同友会で一番会勢の大きい支部です。伏見区は京都市内で最も人口が多く、古くから水運の拠点として栄え、また良質な地下水を生かして酒造業が発達し、全国有数の生産量を誇る伏見の代表的産業となっています。支部では区内の大学院と共同で、経営デザインシートを用いて社会課題を経営に織り交ぜる研究や、地域の高校・大学への講師派遣や学生との交流、行政・社会福祉協議会・地域住民と災害に備えた防災訓練の実施など幅広く会外連携を進めています。また、支部5年ビジョンを策定し、支部長が代わっても「何を大事にしていくか」「どうなりたいか」がブレない支部づくりをしています。

支部長の紹介

 私は縁あって伏見区の葬儀社を継承したものの、業績不振に悩んでいた時期に同友会に入会しました。伏見区に知り合いのいなかった私を支部会員はすぐに仲間に入れ、本当に親切にして下さいました。その恩返しではありませんが、何を頼まれても引き受けるようにしていたら、気づくと支部長を引き受けるまでになりました。

 当社には社員が70名おり、数年後には100名を超える会社をめざしています。伏見支部はここ数年で100名前後から164名まで会勢を伸ばしてきた支部で、自社がめざしているビジョンと状況が似ていました。やるからには支部長を通して得た経験を自社で実践する気概で務め、より組織的な運営を意識し、誰が支部長になっても持続可能に発展できる支部づくりに取り組んできました。支部会員には、自分が経験させていただいたように、よい仲間に出会い、同友会の学びに触れ、役を引き受けて自分を成長させる機会としていただきたいです。

仲間づくりの取り組み

 伏見支部は今月で連続入会72カ月目。現在も更新中です。支部では毎月、さまざまな例会を企画しており、それがゲストの「参加してよかった」を生み、会員に「誰か誘ってみようかな」と思ってもらう好循環につながっています。また、会勢を見てもらえると分かりますが、連続入会中に入会した会員が半数ほどを占めています。そのため会歴3年未満の新会員を中心にした交流会をしています。またそれだけでなく、会歴の長い会員も支部に参加できるよう誘いかけに力を入れています。

 私が支部長になって支部会員に伝えているのは、「会員一人ひとりが経営の辞書の1ページ」ということです。会員は辞書の中から好きな考え方を参考にすることができますし、新しい会員が入会すれば辞書のページは増えていきます。今は164ページですが、今後はさらにページ数を増やし、また会の学びによってページの内容も濃くなるように運動を進めていきたいと思っています。

「中小企業家しんぶん」 2022年 12月 15日号より