地域と共に、社員と共に バスツアーから新入社員研修&フォロー研修へ 広島同友会福山支部バリアフリー委員会

広島同友会では、学校が夏休み中の8月に特別支援学校の先生を対象にした、企業訪問バスツアーを行っています。学校には地域の中小企業やその仕事を知ってもらうこと、企業にはこのバスツアーをきっかけに特別支援学校のことを知ってもらうことを目的の1つにしています。ここ数年は新型コロナウイルス感染防止のため開催見合わせが続いていましたが、昨年8月に感染防止策を取りながら県内5校で再開しました。

参加した先生からは「生徒が企業で働くイメージを具体的に持つことができた」「ほかの職員とも内容を共有し、今後のキャリア教育へ生かしていきたい」「生徒が働くために身につけたい力について考えることができた」などの感想が寄せられました。

過去にバスツアーを受け入れた企業の中には、自社でできる仕事はない、採用はできないと思っていた企業も少なくありません。それが企業を訪れた先生から「この仕事なら生徒にもできる」と提案されたことで、採用の道が開けていきました。

また、福山支部では採用だけではなく研修も開催したいと声が上がり、2014年から新入社員研修一日コースを開催しています。2名以上の採用があった年の4月に開催し、同じく特別支援学校を卒業した先輩社員の発表や「報告・連絡・相談」を学ぶワーク、お金の使い方を学ぶ講義を行っています。

そして秋には先輩社員も交えて、若手・新入社員フォロー研修を開催しています。研修では同じ会社の経営者のインタビュー形式で、自分の仕事内容やうれしかったこと、仕事で大変な時などを社員1人1人が発表します。発表の最後には自社のクイズを出題するのが定番です。時には答えの解説も社員が行い、会社で活躍している様子が垣間見えます。今年度初めてフォロー研修に参加した経営者は、翌日から社員の様子が変わったと話します。

「地域と共に」の思いから始まったバスツアー、そして社員と経営者が一緒になって学ぶ新入社員研修とフォロー研修。会社、年齢、経営者と社員の立場を越えて、共に育つ姿がそこにあります。

「中小企業家しんぶん」 2023年 3月 15日号より