資源づくり3Rに取り組もう

 資源高が続いています。資源安保や食料安保が大きく浮上していますが、永久に資源高が続きますので、輸入に頼るだけでなく、日本で資源をつくるために3Rに取り組む必要があります。

 同友会の2022年環境経営アンケートでは、「3Rに取り組んでいる」と回答したのは、1,545社中471社で30.5%、「リサイクルに取り組んでいる」は669社で43.3%と努力されています。現状把握をすると、日本の物質フローは2017年度で総物質投入量が15.9億トン。うち新たな天然資源投入量13.5億トン(国内5.8億、輸入7.7億)。投入された資源は5.1億トンが製品・建物・インフラで蓄積され、0.9億トンが食料で消費、1.8億トンが製品として輸出、5.1億トンがエネルギー消費・工業プロセス排出、5.5億トンは廃棄物です。廃棄物のうち循環利用は2.4億トンと投入量の14.9%で、残り3.1億トンが廃棄されています。一般家庭からのごみ4,272万トンも含めて再生に使えたら、輸入も減り物価高も抑えられ、資源高を抑えることができます。各企業でできることから取り組みましょう。

 個別で見ると、現在法規制されている段ボールなどはほとんどリサイクルされています(表1)。特に食品廃棄物の再生利用(表2)は進んでおり、20年の食品ロスは522万トンですが、食品産業全体では約1,624万トンの食品廃棄物が発生し、再生利用率は70%(肥料化15%、飼料化76%)、廃棄処分が14%となっています。食品リサイクル法により製造分野ではリサイクルが進んでいます。家庭での食品ロス・廃棄物は外食産業と同量の約80%が捨てられています。家庭や外食産業、卸売業、小売業で、魚や牛のエサにする取り組みや農業用の肥料にすることができれば効果が得られるでしょう。また、それだけでなく福島県の(株)バイオマスレンジが余剰米からバイオマスプラスチックを創りランドセルまで作っているように、法律の規制がないすべての分野でもゴミを減らし、資源をつくる取り組みをしていきましょう。

※3Rは Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の3つのRの総称です。

「中小企業家しんぶん」 2023年 5月 25日号より