第2回CONNECT DAY 同友会での学びが会社を強くする【石川】

第2回CONNECT DAYが7月20日(中小企業の日)、「学んで実践、時代の変化に対応して自社を成長発展させよう~地域を良くする中小企業を目指して~」のテーマで開催され、ゲスト54名を含む約200名が参加しました。広く同友会を知ってもらい会内外の多くの経営者、経営に携わる方とつながることを趣旨として、昨年に続き2回目の実施となりました。

第1部は、石川同友会相談役の玉田善明氏(タマダ(株)代表取締役会長)が「中小企業家同友会こそがあなたの会社を強くする」のテーマで報告しました。玉田氏は同友会の魅力に触れた上で「会員は共に経営にどのように向き合うかを本音で語り合い、ゲストにはぜひ同友会に入って学んで実践してほしい」と呼びかけました。

玉田氏は41歳で同友会に入会。入会1年目の例会報告では経営理念や経営指針もなく、「経営とは儲ければいいということだけではない」と先輩会員から指摘を受けました。そのとき、中学校時代に遭遇した経営者側(父親)と労働者の対立やメーデーのことを思い出し、「労使見解」という言葉を知りました。

社長就任後に経営理念を作成し、それまで上から目線で人を雇ってやっているという意識でしたが、決算書を社員に公表するなど経営を透明化し、労使見解の考え方を腹に落とし込んで成長してきました。その後、タンクメーカーとして全国展開しましたが、石油業界の自由化をきっかけに給油所が減少するなど、業界の先行きが不透明になりました。防火水槽の事業でピンチを切り抜けましたが不況は続きます。債務超過に陥り、仕事のできる社員から退職していきました。そのとき、社員は辞めることはできるが、経営者は辞められないことを実感します。自分のやってきたことは自分の問題と考え、自分を守れなければ社員も守れないということに気づきました。

玉田氏は「経営者として何を目的に仕事をしているのか、その理念がない限り持続はできません。挑戦することは経営者の仕事、それを実行するのが社員です。自分の信じた道で社員を信じ、社員と理念を理解し合い挑戦することが大切であり、長い目で人を育て経営するのが労使見解の基本だと悟りました。事業のベースをしっかりと守り勉強すること。焦って人の真似をせず、自社のコアの技術を深掘りし、コアから派生させることが大事だと確信しています。『天の時、地の利、人の和』という言葉があります。業界の敵を敵とみなさず仲間にすること。敵は自分であり自社です。お金儲けよりも会社の存在価値を持っている会社が光るのです。何に価値を見つけるか、それは経営者の成長です。その成長の根幹となったのは同友会での学びと労使見解にありました」とこれまでの同友会での学びと自社の成長の軌跡が語られ、参加者の感動を呼びました。

第2部はゲストを囲み経営談義で懇親を深めました。県行事では初めて支部ごとに場所を設定し、ゲストの経営課題を探りつつ「一緒に学んでいい会社をつくろう」と声を掛け合いました。その場で入会を宣言してくれる人も多数おり、現在もフォローを継続中です。

「中小企業家しんぶん」 2023年 9月 5日号より