【全国支部長インタビュー】
「なんかイイな」って思える居場所を地区会に
秋田同友会・大仙美郷地区会 古谷 美幸地区会長((株)フルヤモールド 常務取締役)

全国の支部・地区を紹介する連載企画「全国支部長インタビュー」。第15回となる今回は、秋田同友会・大仙美郷地区会(古谷美幸地区会長)の取り組みを紹介します。

支部の紹介

 大仙美郷地区会は、秋田同友会6地区会のうちの5番目の地区会として、2016年6月に設立しました。当地区会は、秋田県南東部に位置し、全国花火競技大会の開催地であり、花火のまちとして知られている大仙(だいせん)市と、この市の南側に隣接する美郷(みさと)町で構成します。

 大仙市の人口は約7万9000人、美郷町約1万8000人(どちらも2021年時点)。27名で設立した会は、2023年9月1日現在58名の会員となっています。

 地区会一帯の特徴は、県内有数の穀倉地帯であるため、日本酒の原料となる米の確保が容易であったこともあり、大仙市内には9つの蔵元があります。その機会を生かし、同市出身の秋田大学教育文化学部准教授のゼミにおいて、マーケティング学習の一環として、学生たちが酒米作りから醸造まで携わった日本酒づくりを体験するというプロジェクトにもつながっています。

 また、花火業者が集積する全国でも希有な地域でもあり、地元花火業者には優れた花火師が多く、さまざまな花火大会で優秀な成績を収めています。毎年8⽉の最終⼟曜⽇に開催される、全国⼀の花⽕師を決める「全国花⽕競技⼤会(最⾼賞: 内閣総理⼤⾂賞)」には、例年、全国から約70万⼈の観光客が訪れる観光の町にもなっています。

支部長の紹介

 私は父の経営する会社(精密射出プラスチック成型製造業)に入社して19年が経過した2017年に知人の紹介で同友会に入会しました。それまでは一社員として自分のできることだけをやる人材でしかありませんでした。しかし転機が訪れ「会社」「社員」「地域」の未来を考え、経営者としてのやる気スイッチが徐々に強まり、同友会活動を通して、自己保身的な考え方から自主性や主体性、そして責任感を持てるようになり、経営者としての質を高めようと例会参加を重ねています。

 近年の取り組みとして、秋田県SDGsパートナー登録制度に参加し、プラスチック部品の製作および金型設計・製作の事業活動を通じて、環境の保全と豊かな社会の実現に貢献し、持続可能な社会を実現するための取り組みを継続することを目指しています。またダイバーシティに対応できる働きやすい環境づくりを目指し、障害者雇用にも挑戦しています。これもひとえに、地区活動や社員教育委員会、障がい共生委員会での経験が社内に生かされ、社員と共に成長させて頂いており、学べば学ぶほどありがたく、同友会に出合えたことに感謝しています。

 また2022年から秋田同友会初となる女性地区会長を拝命しています。大仙美郷地区では「なんかイイな大仙美郷地区会」と感じられる例会づくりを心掛け、他地区の会員の方にも弾む心で参加できるような創意工夫をしています。

仲間づくりについて

 同友会の一番の魅力は「グループ討論」ではないでしょうか。

 心理的安全性のもと、自分の意見を安心して発言できる。そして発言したことを傾聴してもらえる、他者の意見に共感して、討論テーマを共有して深めていく、その中で学び方を学んでいるのではないかと思います。地区会だからこそ討論できるテーマがある、そして語り合える仲間がいる「なんかイイな」と思える居場所があります。例会や合同例会を積み重ね、同友会のよさを語る語り部の仲間が増えること願っています。また会員交流会では企業の魅力発見につなげ、オリエンテーションでは、同友会の魅力を発信していきます。同友会での学びが、経営者を生き生きとさせ、働く社員と企業と地域が幸せになると確信し仲間づくりを継続して参ります。

「中小企業家しんぶん」 2023年 10月 5日号より