これからの地域振興、中小企業振興について学び合う
第13回中同協関東・甲信越ブロック代表者会議

 9月7日、第13回中同協関東・甲信越ブロック代表者会議が千葉同友会の設営でホテルグリーンタワー幕張にて行われ、10同友会および中同協から47名が参加しました。当日、台風13号の接近に伴い、急きょ2日目を中止し、1日目のみで行われることになりました。

 三宅一男・中同協副会長の開会あいさつの後、「中小企業振興と豊かな地域づくりに向けて期待されることとは!?~エコノミックガーデニングの事例に学ぶ」というテーマで、拓殖大学政経学部の山本尚史教授より講演がありました。

 講演冒頭、国交省の「国土のグランドデザイン2050」から、2010年と比較し国内の大多数の都市が人口減少する2050年の『ゾッとする未来』を紹介し、持続可能な地方分散シナリオの実現には、税収・エネルギー自給率・地方雇用などについて、経済循環を高める政策を継続的に実行する必要があると解説しました。

 その上で、『望ましい未来』は「企業変革」「中小企業振興基本条例」「政策実施枠組+エコノミックガーデニング」が三位一体でまわる状態であること、エコノミックガーデニングに取り組む自治体の事例からビジネス支援図書館やビジネスコーチングを紹介し、これらの取り組みが地域における企業支援として有効であると話しました。

 続いて、千葉同友会の野水俊夫理事と梅原正一代表理事より、2007年制定の「千葉県中小企業の振興に関する条例」について、県行政が県内中小企業者の声を聞く「地域勉強会」が毎年行われ、約3年ごとに見直される元気戦略が第5次を迎えているなど、継続的な条例の活用推進が行われている様子が報告されました。

 後半は、各地同友会から現状と課題について活動報告がされ、会員増強などの組織づくりや行政や学校などとの連携を通して地域で認知されてきた様子などの取り組みが交流されました。

 最後に、三宅一男・中同協副会長より「本日は地域振興について学びました。関東・甲信越ブロックの会員数は8497名を数えますが、企業組織率はわずかに1・3%と地域に存在感がまだまだ足りません。まずは地域の情報を把握することから取り組みましょう。何よりも真摯(しんし)に経営に向き合い、体験を会員に語っていきましょう」とのまとめがあり、閉会しました。

「中小企業家しんぶん」 2023年 10月 5日号より