【2023組織強化・会員増強全国交流会 事例報告②】京都同友会中京支部の取り組み
京都同友会中京支部長として学んだこと、実践したこと
京都同友会理事・組織委員長 京都エレベータ(株)代表取締役 田中陽一氏

京都同友会は、京都市内のすべての行政区と京都府の北部・南部にそれぞれ支部があり、全22支部で構成されています。そのうち、中京支部は100名を超える会員数で活動していましたが、コロナ禍となってから会員数が減少し、2022年度の期首会勢は87名という結果でした。100名会勢回復に向けて悪戦苦闘していましたが、2023年度の期首会勢は113名と、久々に100名を超える会員数に復活することができました。

既存会員へのフォロー

支部活性の指標として、例会などに何名の会員が参加しているかを測る「会員活性指標」を作成しています。その指標に基づいて支部長を中心に会員への声掛けを行い、支部の隅々まで情報が行き届くようにしています。また、行事への参加率を上げるために取り組んでいるのが小グループ活動です。中京支部の会員は、広報・例会・組織などの小グループのいずれかに参加しており、そのグループ内で声掛けを行っています。会員1人1人が同友会運動に携わっていることを実感でき、お客さま意識ではなく主体的な活動への意識づけとなっています。

また、毎月第4金曜日の夜に会員企業の飲食店で食事をしてつながりをつくる「つながる会」を開催しています。この取り組みをスタートしてから1年半ほどが経ちますが、現在では毎回20名以上が参加するまでに活動が広がってきました。例会に参加することにハードルが高いと感じる方もいますので、食事などをしながら気軽に悩みや話を聞く機会をつくることが大切だと考えています。コロナ禍によって会員同士のつながりが途切れてたとき、仲間のお店で月に1回集まることで再度つながりを強くすることができました。

支部長の率先垂範

現在の支部長((株)メディアクリエイツ代表取締役・北野典子氏)はIT関係の事業を営んでおり、ITツールを積極的に活用して情報発信を行っています。LINEやFacebookへの投稿をこまめに行い、やりとりはLINEやSlackで、資料の共有はGoogleドライブを活用しています。また、支部長自ら率先して声掛けをしており、そんな支部長の姿を見た支部会員がゲストを連れてくる回数も多くなり、さらには既存会員の例会出席率も向上しています。

昨年10月に開催された第39回中同協役員研修会in岩手に、京都同友会から北野支部長をはじめ3名の支部長が参加しました。同友会運動の歴史と理念を学び、増強の意義を理解して、自社経営と同友会運動が両輪であることの理解を深める機会となりました。

その後、増強が進んでいる兵庫同友会に北野支部長自ら出向き、代表理事が所属する支部の役員会にオブザーバー参加して組織運営を学びました。支部長がいろいろな場所に出向き、気づきを得て、それを支部に持ち帰って実践しています。昨年度は、中同協役員研修会に参加した3名の支部長が先頭に立って活動を盛り上げ、京都同友会全体の増強を推進しました。

京都同友会第8次ビジョンの実現に向けて

京都同友会は、今年1800名会勢に回復しました。1800名を超えたのは約23年ぶりです。過去を遡ると、多くの方に入会して頂いているにも関わらず、多くの退会者を出していたことがわかりました。その現実を受け止めて、同友会がよい会であることを広く発信するためには、まず自分たち自身が学びを深めないといけないと思います。また、これまでは「いい報告者をたてよう」「いい例会をつくろう」という話に終始していましたが、それは自己満足でした。ゲストや休眠会員への広報も必要だったのです。同友会の魅力を伝える努力をすることが大切です。

京都同友会では、2025年に会員数2222名・組織率7%をめざしています。リーダーが目標を掲げて発信することで会員がゲストを連れて来る機会が多くなり、さらには新たな会員が新たにゲストを連れて来るという循環も生まれています。新会員が同友会のよさを実感して声掛けを広げていくと、それが京都同友会全体に波及します。その先に、京都同友会の第8次ビジョン「幸せに暮らせる地域づくりの核となる経営者集団になろう!」の達成が見えてくると思っています。

今年度は、新たな仲間づくりを進めてさらなる増強を目指し、京都同友会の第8次ビジョンに向けて取り組んでいきたいと思います。

「中小企業家しんぶん」 2023年 10月 15日号より