自立的な変革と成長、発展への姿勢と実践が中小企業存続のカギ
第43回中小企業学会全国大会

 9月30~10月1日、日本中小企業学会の第43回全国大会が近畿大学で行われました。

 1日目、自由論題の第3分科会では北海道同友会会員の小椋俊秀氏((株)シンクシステムズ会長)が「中小企業家同友会の経営指針による組織変革に関する事例研究:従業員の変化に着目して」を、第4分科会では兵庫同友会事務局の津田泰行氏が芸術文化観光専門職大学の瓶内栄作氏とともに「都市企業の地域への多拠点展開における、地域内ハブ企業の役割についての考察」をテーマに報告しました。

 国際交流セッションでは、日本や韓国、中国の「ファミリービジネスと老舗企業」の報告を受け、各国の企業や家業に対する受け止めの違いによって事業継続や承継に影響が生じている可能性について言及しました。

 2日目の統一論題は「科学技術の進展と中小企業―現状と研究の射程―」をテーマに開催。統一論題の特別講演として神戸大学と摂南大学の名誉教授である森脇俊道氏が、技能と技術とAIの関係について講演しました。

 続いて大阪同友会会員の藤原義春氏((株)藤原電子工業代表取締役会長)が、「アナログ技術がDX技術を支える―時代の変化に対応し生き続ける中小企業を目指す!」と題し報告。進化し続ける技術に対応してきた自社の事例を交え、生き続ける企業になるには、経営者の覚悟と社員の成長、そして社内外での信頼関係を軸とした連携と連帯が不可欠であると力説しました。

 常に環境変化にある中で中小企業が存続していくには、デジタル化への対応はもとより自立的な変革と成長、発展への姿勢を持ち続けるとともに、国際化を含め広い視野を持って実践していく重要性が共有された大会でした。

「中小企業家しんぶん」 2023年 10月 25日号より