東京圏の若者の地方に対する意識調査―約4割が「地方暮らしをしてみたい」と回答

 東京圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)には、大学進学や就職などの理由で地方から若者が集まります。地方部では少子高齢化が進み、若者のU・Iターンを促すことが、これからの持続可能な地域づくりに欠かせません。そんな中、実際に東京圏に住んでいる若者(15歳~29歳)はどう思っているのか、興味深い調査がありました。

 ふるさと納税事業などを展開する(株)トラストバンクが、9月14日、東京圏に住む15歳から29歳までの919名を対象に実施した「東京圏の若者の地方に対する意識調査」の結果を発表しました。概要を紹介します。

 まず、東京圏に住む若者の49.3%は地方暮らしに憧れており、うち「実際に地方暮らしをしてみたい」と回答したのは79.0%となっています。これは全体の約4割にあたり、地方暮らしを希望する若者は少なくないようです。地方暮らしをする場合でも、完全移住を希望しているのは47.5%となっています。移住先のコミュニティとして「最も暮らしやすい」と考えるのは、すでに自分と同世代の移住者がいる地域(59.2%)となっており、地方移住には、行政や企業などが連携して若者の移住者を応援する仕組みが必要です。

 調査では課題も明らかになっています。自分にとって「良い仕事」をするには都市圏に住んだ方がよいと考えている若者が全体の約6割に上っていることです。地方でも「良い仕事」ができると考えるのはわずか1割程度。その「良い仕事」の条件とは、多い順に「収入が高い」(53.3%)、「楽しさ・やりがいを感じる」(47.9%)、「働きやすい」(46.2%)。また、仕事に対する価値観は、「キャリアアップ」より「プライベートの充実」が大切であるとの回答は54.5%と半数を超えています。地方への移住は、仕事の「収入」と「プライベートの充実」がキーポイントとなりそうです。

 中同協では、2024年6月7日、「第5回中小企業サミット」を開催します。学生には「全国インターンシップに行ったら自分発見できた件」として、全国の中小企業の魅力を伝えるきっかけとしますので、参加してみてはいかがでしょうか。

「中小企業家しんぶん」 2023年 10月 25日号より