同友エコ受賞企業 外部審査委員賞
健康な暮らしと家族が育つ家づくりは、環境にもやさしい家づくり (株)セイコーハウジング 代表取締役 元木康浩氏(徳島)

 同友エコ2022~2023受賞企業を紹介する本連載。第6回となる今回は、外部審査委員賞を受賞した(株)セイコーハウジング(徳島同友会会員)の取り組みを紹介します。

 (株)セイコーハウジングは、地域に密着したハウスビルダーとして注文住宅をつくり続けて45年、住宅の設計・建築から賃貸物件・土地の仲介、住宅リフォーム・リノベーションを行っています。

建築主が深めてくれた環境への意識

 元木氏は、以前設計事務所に勤めていました。その時に、自然エネルギーを使った家づくりに技術者として興味を持っていましたが、当時はあまり環境について意識をしていなかったそうです。父が創業したセイコーハウジングに入社し、注文住宅に力を入れていた1990年にOMソーラー(太陽熱を集め、その熱を暖房や給湯、換気などに変換するシステム)の案内に目が留まりました。

 モデルハウスで体験すると、こんなにも柔らかで自然な暖かさがつくれるのならお客さんに喜んでいただけると思い、OMソーラーに加盟しました。OMソーラーは全館空調で室温が一定になるため、身体への負担、家の中での危険が軽減されます。その後、次世代省エネ基準、「近くの山で家を作る運動」では徳島スギを使った家づくり、シックハウス法に対応した自然素材の家づくり、太陽光発電固定買い取り制度の推進と、新しい制度ができるたびにどうすれば建築主が喜んでくれるか、それを生かすことができるかを進めてきました。そのため、環境に優しい家づくりは当たり前になっていて特別なことをした印象はなかったそうです。OMソーラーの建築主は、環境への見識が深い方が多く、健康だけでなく環境に優しいことを教え育てていただき、自社の価値観としてだんだんとふに落ちてきました。

 ZEH(ゼロエネルギーハウス)へ補助金が出たのが2016年。その4年前よりZEH仕様に取り組み、2019年からZEHの受託率は100%が続いています。

 SDGsについては、自社の取り組みを社員と一緒に17のゴールに照らし合わせると、家づくりを通じた社会的な意義が分かり、社会貢献が明確になりました。2020年の経営指針発表会で、社員とビジネスパートナーに「私たちは、『健康・快適・エコな暮らし』を住環境面から提供し続けます」とSDGsキックオフ宣言をしました。

  1. 家づくりを通じて環境に貢献。
  2. 温度差がなく快適で健康に過ごせる家づくり。
  3. 災害に強く、長く安心して住まえる家づくり。
  4. 緑を守る、徳島杉を使った地産地消の家づくり。
  5. 街全体で自然のエネルギーを利用した、エコで快適なまちづくり。
  6. 安心のアフターサービス。
  7. 幅広い団体に所属し、学びの機会を生む。
  8. 性別に関わらず活躍できる職場づくり。

を掲げました。これをHPやYouTubeでも発信しています。

SDGsのメリットを生かした10年ビジョンへ

 2030年に向かって10年ビジョンを策定しました。

 「新規事業計画として『住まいとエネルギーの関連事業』を考えています。今後は資材高騰で新築物件の減少が予想されています。また、築30年、40年の家が増えてきています。そのため耐震や断熱をしっかりして、快適に住めるように、リノベーションに軸足をシフトしています。これはSDGs宣言の3番にあたり、住み続ける街づくりや作る責任、使う責任につながり、社会貢献につながります」と語る元木氏。社員と一緒にワクワクしながら未来志向でSDGsに取り組んでいます。

会社概要

設立:1970年
事業内容:新築住宅の設計・建築、賃貸物件・土地の仲介、住宅リフォーム・リノベーション
社員数:10名
URL:https://www.seikohousing.co.jp/

「中小企業家しんぶん」 2023年 11月 5日号より