【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】
大学と企業の連携で学生の幸せな就職を~孤立化する学生の就職活動【千葉】

 千葉同友会では11月2日、三井ガーデンホテル千葉にて共同求人委員会による「就職指導担当者と中小企業による合同情報交流会」を開催。都内・県内大学就職指導担当者24名、企業担当者37名が参加し「変化する就活環境の中で大学・企業の連携できることは」をテーマに学習・交流を行いました。

 全国私立大学就職指導研究会会長・来田健氏(拓殖大学)、千葉県大学就職指導会会長・杉本雅視氏(神田外語大学)、中同協会長・広浜泰久氏((株)ヒロハマ)によるパネルディスカッションで、コロナ禍以降に大きく変わった学生の就活スタイルや価値観について学び、グループ討論を行いました。この間の学生はキャンパスライフを制限されてきた世代で、学内での友人関係や先輩とのつがなりが例年より希薄になり、個々に就職活動を行っています。そういった学生の孤立を背景に成果報酬型の新卒エージェントなどが台頭し、自己分析・業界/企業分析が不十分なままの就職が散見されるとのこと。これは早期離職にもつながりかねないと杉本会長は警鐘を鳴らします。

地元大学と地元企業、顔の見える信頼関係の構築を

 学生にとって幸せな就職活動の実現を目指して、大学と企業の連携で何ができるのか。グループ討論の中では「退職する社員を、別の同友会企業とマッチングさせるプラットフォームは作れないか」や、「これまでのような学校間での就職率の競争よりも、もう一歩踏み込んだ就活支援が求められる。キャリアセンターの職員がもっと地元中小企業と顔の見える関係の中で信頼関係を構築し、学生に伝える。それこそエージェント的な役割を果たせたら」といった意見が交わされていました。

 共同求人委員会では「1社ではできないことを共同の力で」をスローガンに、地域の未来を担う若者に選ばれる企業づくりをベースに活動を続けています。

「中小企業家しんぶん」 2023年 12月 5日号より