自分と企業の成長の先に尖る価値の創出を! 第5回(第71回)定時総会を開催(東京)

 3月14日、(一社)東京同友会第5回定時総会(通算第71回)がアルカディア市ヶ谷で開催され、104名が参加しました。冒頭、矢倉保吏・代表理事が「同友会での学びから知恵が生まれます。同友会の活動を通して、地域からあてにされる企業づくりをますます進めていきましょう」とあいさつし、来賓を代表して広浜泰久・中同協会長があいさつを行いました。

 総会の中では「第2回人を生かす経営大賞」受賞式が実施され、(株)コマームが第2回大賞を受賞しました。同社は、地域住民や行政と連携して子育て支援センターの運営を行うなど「地域と共に歩む中小企業」を具現化し、地域や働く親の「あったらいいな」の思いに寄り添って子どもたちが輝くための環境づくりに取り組んでいます。多くの社員と共に参加していた小松秀人・代表取締役社長からは喜びの声と共に今後の決意が述べられました。

 続く記念講演は「迫られた変革 老舗繊維卸が挑む、新規事業への挑戦」と題して、越後繊維(株)代表取締役の大嶋哲氏(新潟同友会会員)が登壇。1919年に繊維製品の卸問屋として創業された同社ですが、大手量販店や製造小売業の台頭により、商店街の衰退とともに業績が低迷していました。「とにかく何かをやらなくては会社が無くなってしまう」との危機感を募らせている中、2010年に「経営指針を作る会」に参加。同友会の仲間に相談し、「とにかくやってみることが大事」との後押しを受け、ニッチトップ戦略が取れる商材を求め、海外の展示会に積極的に参加しました。自身の趣味でもあったカーボンロードバイクの商流に活路を見いだし、2019年に自社ブランド「毘沙 BISYA」の販売をスタート。コロナ禍による行動制限の中で需要が高まったこともあり、即完売。好調なスタートを切ります。卸売業での経験の蓄積が強みとなり、販売網を全国に展開。注目の新ブランドとして評価も高まっています。当初こそ戸惑いを持って静観していた社員も、協力的な姿勢に変わってきました。「社員の満足が無いと会社は前に進みません。社員に、いてよかったと思われる会社にしたい」と語る大嶋氏から、さらなる事業成長の展望が語られました。

 参加者同士、新年度に向けて成長を誓い合い、定時総会は閉会しました。

「中小企業家しんぶん」 2024年 4月 15日号より