「RESAS(リーサス)」を活用した地域経済分析学習会【埼玉】

 4月12日にRESASの学習会を埼玉同友会の9委員会(政策、広報情報化、経営労働、共同求人、社員教育、障害者雇用推進、仕事づくり、女性経営者クラブ・ファム、青年部)が主催し、83名が参加しました。

 はじめに、委員会を代表し、齊藤壽和氏(広報情報化委員長)より確かな統計情報をより活用していきましょうとのあいさつがありました。そして第1部は中同協のアドバイザーも務める経済産業省の田中幸仁氏より「データを活用した中小企業の経営戦略」をテーマにRESASの活用について講演が行われました。田中氏からは、これまで各県同友会で計12回を開催、500名以上が参加している本勉強会のアンケート結果から、統計データを活用しきれていない割合が70%にも及ぶとの報告がありました。各社の経営において、定性的・定量的な情報、データを活用することが経営判断において大変重要で、経営環境の変化が激しい時代だからこそ、経験則や勘に基づくノウハウを裏付ける確証データとして活用し、経営環境、自社業界の業況、取引先業界の業況をきちんと把握し、経営指針に生かしましょうと丁寧な話がありました。

 第2部は関東経済産業局の小島圭司氏が講師となり、RESASなどを用いて「経営環境分析シート」の作成を行う実践講座となりました。参加者は、自社業界の過去と現在の付加価値額の変化からの業界動向を、そして現在と未来の人口推移から顧客の増減をそれぞれ探りました。中には自社だけでなく取引先や隣接異業種の情報も取得し、積極的に学んでいる姿も見受けられました。受講者アンケートでは、RESASを活用し自分の力で業界動向などを確認することができた割合は100%でした。

 まとめに菊永良枝氏(女性経営者クラブ・ファム委員長)が自社の事例をもとに、今まで見えなかった情報が可視化されたことで、現状の把握のみでなく、今後の経営戦略に役立てることができると話しました。この経験をもとに自社をまた一つ成長させ、同友会企業の成長と地域企業のレベルアップにつながる勉強会となりました。当日は動画投稿サイト(YouTube)のLIVE配信も行い、視聴希望の同友会、関係団体の方も視聴しました。

「中小企業家しんぶん」 2024年 5月 5日号より